2021年6月11日号 Vol.399

認知症予防にキノコパワー!

キノコには、ビタミンB群、D、セレン、銅、カリウム、リンなど、さまざまな重要栄養素が含まれています。 さらに、腸内の善玉細菌を養いサポートする多糖類を含むため、「プレバイオティクス」食品としても知られています。

そしてキノコの食用菌としての利点はもっとすごいのです!2019 年の医学雑誌「Journal of Alzheimer's Disease」 で発表されたシンガポール研究では、663人の60歳以上を対象に、認知機能の違いを6年間にわたり調査・評価しました。キノコを食べる回数が週1回未満の人と比較して、 週2回以上食べた人は、軽度認知障害 (MCI) のリスクが 52% 減少しました。

ちなみにMCIとは、「記憶力や思考力を含む認知能力のわずかではあるが、顕著で測定可能な低下を引き起こす」との定義です。MCIの人は、将来的にアルツハイマー病または他のタイプの認知症と診断される可能性が高くなります。つまり、MCIを予防することは、人の脳の健康と生活の質に大きな影響を与えるということです。



この研究ではさらに驚くべきことに、「年齢、性別、学歴、喫煙、アルコール摂取、高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中、身体活動、社会活動」などの交絡因子を調整した後でも、キノコを食べることによる効果は残っていたのです。研究者たちは、「このデータは、神経変性の遅延において、キノコとその生物活性化合物(生物に効果を与える化合物)が潜在的な役割を持つことを支持している」と結論付けました。

では、どれだけの量を摂取すると効果があるかですが、この研究データによると、週に 1.5 カップ以上の、生ではなく、調理したキノコを摂ることだそうです。せっせとキノコ類を食事に取り入れるように心がけたいですね! ということで、今回はオイスターマッシュルームを使った、ビーガンの人には主菜にもなる一品をご紹介します。

今週のレシピ「オイスターマッシュルームのアーモンドミルク煮」

■材料(2人分)
●甘味のないアーモンドミルク 2カップ
●アロルート粉(または片栗粉) 小さじ2
●アボカドオイル 大さじ1.5
●オイスターマッシュルーム ヘタをとったもの1カップ半
●おろしニンニク 小さじ半
●おろしショウガ 小さじ半
●ナンプラー(タイ料理の調味料) 小さじ4分の1〜3分の1
●キノア 1カップ
●アーモンドスライス 3分の1カップ
●パクチー(コリアンダー) 適量

■作り方
@キノアを洗い、同じ量の水で炊く
Aアーモンドミルクとアロルート粉を小さめのボウルで混ぜ合わせておく。
Bフライパンにアボカドオイルをひき、強火で熱し、フライパンが熱くなってきたら、オイスターマッシュルームを入れて焼く。炒めるというよりひっくり返す感じで両面を焼く。
CBが柔らかくなったら、ニンニクとショウガを入れ、混ぜ合ったところにAのミルクを流しこむ。
Dグツグツとなってとろみがついたら、ナンプラーを入れて混ぜる。
E器に炊いたキノアをよそい、その上からDをかけ、アーモンドスライスとパクチーをのせて出来上がり。


鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

HOME