2020年9月4日号 Vol.379

レモン&ニンニクの“コンボ”考

レモンとニンニクは、免疫力を上げる食材として知られています。ニンニクは古くから感染症、風邪、糖尿病、心臓病、その他多くの疾患の治療に使用されてきました。ビタミンCが豊富なレモンは、循環器疾患の予防と、老化の進行を遅らせる効果があることも、みなさんご存じかと思います。

そして両方とも、がんの予防と治療に効果があるという研究結果が発表されています。ニンニクとレモンの抽出物を組み合わせることで、相互作用的に抗がん活性を高める可能性があるという仮説を基にした研究発表もあります(2017年ヨルダンのアプライド・サイエンス私立大学のがん生物学教授ワミド・タリブ博士)。

その研究では、乳がん細胞を注射したネズミに、@レモン抽出物を投入したグループ、Aニンニク抽出物を投入したグループ、Bレモンとニンニク両方の抽出物を投入したグループ、Cどちらも投入しないグループに分け、14日間毎日抽出物を投与し、結果が比較されました。

@Aのニンニクまたはレモンのみでは、腫瘍が平均80%縮小し、完全にがんが消えた確率は60%。Bのニンニクとレモンの両方のグループでは腫瘍が平均91%縮小し、完全にがんが消えた確率は80%。一方で、何も投与しなかったCでは、がん細胞が556%増加していました。

この研究結果からも、自然界の力は素晴らしいという結論に達しますね。「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」という、ヒポクラテスの名言のように、私たちの周りにある自然な食材は、私たちの活力となって活躍してくれます。この研究を行ったタリブ博士によると、ニンニクは生(なま)、レモンは皮ごと使うのがいいそうです。ぜひ毎日の食生活に取り入れましょう。

今回は、生のニンニクと丸ごとレモンを使ったレシピをご紹介します。

★今週のレシピ「ニンニク自家製ポン酢和え」

■材料(1人分)
●大根(ピーラーで薄切り) 80g
●舞茸 細かく切る 30g
●大根の葉 細かく切る 30g
●ニンニク みじん切り 中1片
●アボカドオイル 大さじ1
●ラー油 適量
●自家製丸ごとレモンポン酢(※作り方別記)大さじ2〜3
●醤油 4分の1カップ
●レモン 2個
●カツオ節 2パック
●だし昆布 10cm 2枚
●みりん  小さじ2

■作り方
※自家製丸ごとレモンポン酢
@洗ったレモンを皮ごと小さく切り、フードプロセッサーにかけ、チーズクロス(晒し布)などで濾して、4分の1カップのレモン汁を作る。
A約500ccの容量のメイソンジャー(mason jar=市販の密封用瓶)に醤油、@のレモン汁、かつお節、昆布、みりんを入れ、最低24時間冷蔵で保存。その後、昆布やかつお節を取り出して濾して、出来上がり。その後別の瓶に移し、冷蔵庫で時間の許す限り、“寝かせて”ください。寝かせる時間が長い方が、より材料の味が抽出されます。

<ポン酢和え>
@中火にかけたフライパンにアボカドオイルを入れ、舞茸と大根の葉を炒め、冷ましておく。
Aボウルに薄切りした大根、みじん切りのニンニク、冷ました@を入れ、自家製ポン酢を大さじ2〜3杯(好みで)入れ、混ぜ合わせる。5分ぐらいおいて味をなじませて出来上がり。お好みでラー油を加えてください。


鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

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