2019年2月22日号 Vol.344

MTHFR遺伝子って何?

MTHFR遺伝子についてご存じですか? 日本人の約60%がこの遺伝子に変異があるといわれています。MTHFRとは、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素のことです。舌を噛みそうな名前ですが、これは葉酸を含む食べ物を食べた時、その栄養素を体が吸収できる物質に変換させる酵素です。そして、MTHFR遺伝子に変異があると、その変換ができなくなり、ひいては葉酸だけでなく、その他の大切な栄養素が体に吸収されなくなります。その結果、心臓脳血管、神経変性疾患、自己免疫疾患、糖尿病、神経精神障害、腎疾患、がん、先天性欠損症などの疾患を発生させるという研究結果が発表されています。

葉酸のサプリメントというと、人工的に作られた「Folic Acid」が使用されることが多いのですが、MTHFR遺伝子に変異がある人がこれを取ると、代謝されなかったFolic Acidが有害物質として体内に蓄積され、健全な生体活動への障害となります。近年の研究で、「未代謝のまま残留した葉酸」が体内に蓄積すると、がんを引き起こすという報告もあります。

 アメリカでは、MTHFRの遺伝子検査はほとんどの保険がカバーするはずですので、医師に相談し、ぜひ調べてみてほしいと思います。いろいろなタイプのMTHFR遺伝子変異があるので、対処法は医師に相談するか、または私まで気軽にご質問ください。そして、市販のサプリで葉酸を補給する場合は、人工的な葉酸である「Folic Acid」ではなく、自然の葉酸「Folate」と表記があることを確かめて摂取しましょう。

それでは今回は、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素の「変換」機能をサポートしてくれる、ミネラルたっぷりのレバーを使ったレシピをご紹介します。

今週のレシピ「煮込みレバー」

■材料(1〜2人分)
●鶏レバー 200g
●玉ネギ 細かめに刻んでおく 約70g(中くらいの玉ネギ約半分)
●パクチー 好みで
●紫玉ネギ 好みで
●ニンニク 1〜2片
●チキンまたはビーフボーンブロス(ない場合はスープストックで代用)半カップ
●赤ワイン (または日本酒)4分の1カップ
●バルサミコ酢 大さじ2
●トマトペースト 小さじ2
●オリーブオイル 大さじ1
●月桂樹の葉 2枚
●ペッパーコーン 小さじ1
●海塩 小さじ半
●MCTオイル(※)好みで
※「Medium Chain Triglyceride(中鎖脂肪酸)」の略。次世代の健康オイルとしてここ数年空前のブーム。

■作り方
@レバーは洗い、筋などを除き、10分ほど冷水につけておく。
A鍋にオリーブオイルを入れ、中火で玉ネギ、みじん切りのニンニク、ペッパーコーン、月桂樹の葉を入れてよく炒める。
Bレバーは水を切り、Aの玉ネギがきつね色になり、柔らかくなったら鍋に入れて炒める。
Cレバーの両面が焼けたら、ブロス、ワイン、バルサミコ酢、トマトペースト、海塩をいれてよく混ぜる。
D煮立ってきたら火を弱め、蓋をして20分煮込み、蓋を取ってさらに約20分、煮汁がなくなるまで煮込んで出来上がり。
*好みでMCTオイル、薬味としてみじん切りにした紫玉ねぎとパクチーをのせて召し上がってください。


鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

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