2019年1月25日号 Vol.342

慢性炎症を食生活で改善

喉の痛み、蕁麻疹、足首の捻挫などはいずれも「炎症」です。炎症とは、細菌やウィルス感染、外傷などに対する体の防御システムで、典型的な症状は皮膚表面の赤み、患部の腫れ、発熱、痛みです。炎症が起こるということは、免疫機能が正常に働いていることを意味し、決して悪いことではありません。

しかし、こうした一時的な炎症ではなく、知らず知らずのうちに体のどこかで長い間起こっている慢性炎症は、放置すると大変危険です。肥満や糖尿病ほか多くの慢性疾患の根底には、隠れた慢性炎症があると言われています。

炎症反応の指標として、「CRP(C-Reactive Protein=C-反応蛋白)」という検査があります。平常時の血中CRPはほぼゼロですが、炎症が起こるとその程度に応じて増加します。CRPが高いほど広範囲で強い炎症が起きていると考えられ、明らかな炎症がないのにごく微量のCRPが検出される場合は、体内で何らかの炎症が起きているといわれます。

細胞が壊れるとCRPが増える、つまり細胞の壊れ方が激しい病気ほど血中のCRP値が高くなります。例えば慢性関節リウマチ、膠原病、がん、急性心筋梗塞、肥満、認知症、うつ病なども高CRPと関係しているといわれ、動脈硬化の診断にもCRPが用いられます。

慢性的な炎症の原因は、@ストレス、Aバクテリア、寄生虫、イースト菌などの感染、B食品や環境アレルギー、C水銀や農薬などの毒物、Dカビ、そしてE糖質や加工食品、トランス脂肪を多く取る食生活――と言われています。ピンポイントで原因を追究するには専門医による検査・診断が必要ですが、食生活の改善はすぐにできますね。低糖で、野菜たっぷりの手作り料理を心がけましょう。

今週のレシピ「カリフラワー・リゾット」

糖質を抑えたリゾットです。

■材料(2〜3人分)
●カリフラワー 1個(細かく米粒状にする)
●マッシュルーム 200g(スライス)
●玉ネギ 1個(みじん切り)
●ニンニク 2片(みじん切り)
●チキンブロス 1カップ
●海塩 小さじ半 ●コショウ 少々
●アボカドオイルまたはオリーブオイル 大さじ1
●パセリ(パクチー、ネギなど) 好みで
●MCTオイル(※)好みで
※「Medium Chain Triglyceride(中鎖脂肪酸)」の略。次世代の健康オイルとしてここ数年空前のブーム。

■作り方
@中火で熱した鉄鍋にアボカドオイルを入れ、ニンニクと玉ネギを柔らかくなるまで炒める。
A@にマッシュルームを入れ、塩、コショウを加え柔らかくなるまで炒める。
BAにカリフラワー、チキンブロスを入れて蓋をし、5〜6分蒸して出来上がり。(柔らかいカリフラワーが好きな人は、追加で2、3分)
*器に盛り付け、パセリ、MCTオイルをかけて食べてください。肉や魚料理の付け合わせとして、また半熟卵を乗せて朝食や昼食の主食としてどうぞ。


鹿島 香(かしま・かおる)
米国代替医療協会認定ホリスティック・ヘルス・カウンセラー。
遺伝子組み換え食品に反対する非営利団体主宰。
TEL: 917-478-2192 kaoru@krlllc.com
www.kaorukashima.com

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