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よみタイムVol.112 2009年5月1日号掲載
バレリーナ 加治屋百合子

世界の「バレエ軍団」に輝く日本人
加治屋百合子、ソリストで登場
プリンシパル目指して踊り続けたい

 メトロポリタン歌劇場ではオペラのシーズンが終わると5月18日から7月11日までアメリカン・バレエ・シアター(ABT)のスプリング・シーズンが公演される。今回の公演の中で最も注目したいのが、加治屋百合子さん。世界ナンバー・ワンの「バレエ軍団」唯一の日本人バレリーナでソリストだ。開幕に向けABTのスタジオで練習中の加治屋さんにお話を聞いた。  (文・針ケ谷郁)


 11歳の少女時代から親元を離れ1人で上海、トロント、ニューヨークでバレエ一筋に打ち込んできたど根性物語からは連想しがたいとても可愛らしく穏やかな印象だった。舞台栄えのする顔立ち、長い手足で外国人の中で踊っても少しも遜色は感じさせない。
幼稚園の園長先生の薦めでバレエを始め、父親の転勤で10歳の時上海に引越し上海市舞踊学校に入学。1年後両親は帰国するが、単身中国に残り、負けず嫌いの性格から人より多くの努力を重ね、2000年に若手バレリーナの登竜門、熊川哲也、吉田都、中村祥子などを輩出した「ローザンヌ国際バレエ・コンクール」に中国から代表に選ばれ、ローザンヌ賞を受賞、スカラシップを得てカナダ・ナショナル・バレエ・スクールに留学した。
 01年ABTのスタジオ・カンパニーに入り、02年6月からコール・ド・バレエ(群舞)の一員として舞台を踏み、一昨年8月からソリストに昇格。
 「ABTの団員は多国籍で日本人だからというコンプレックスがなく、アメリカがチャンスを与えてくれた」という。
 ソリストというポジションは主役に比べてあまり感情を表現する踊りが無く、いきなり出て技巧的な踊りをしなければならない。
 「これまで演じた中ではバヤデールやメリー・ウィドウは感情から入ってドラマティックなストーリーを出した役でした。主役では自己表現が重要なジゼルとか踊ってみたいですね」とやさしい笑顔を見せる。
 加治屋さんは入団した年にABTの日本公演に参加、昨年で3回目の日本公演となったが、日本では観客の目が結構厳しく感じられたそうだ。
 ソリストになって2シーズン目を迎え、出番も多くなった。今シーズンはバランシン振り付けのチャイコフスキーの『主題と変奏』の主役を踊る。また、『海賊』(5月21、23日)では、主役のメドーラの友達でパシャに売られる奴隷の役。他にも『ジゼル』のペザント、『白鳥』では4羽の白鳥、パ・ドゥ・トロア、ポーリーシュのプリンセス、『シルヴィア』のハンアテンデントなど大半の演目に出演する予定だ。
 「公演の3週間くらい前にならないと、どの日に出るかはっきり決まりませんので、結構大変なんですよ」と爽やかな目を細める。
 オペラやブロードウエーミュージカルも大好きだ。ただ「なかなか時間が無くて観にいけなくて残念です」と悔しがる。
 コンテンポラリー作品を2月のワシントン公演でサープ振り付けで踊りました。バレエがベースですが、いつもと体の使い方が違うので筋肉痛になったそうだ。
 今シーズンは、世界を代表するバレリーナ、ニーナ・アナニアシヴィリが引退する。彼女の印象は「心が豊かで尊敬できる人です。そんな人柄が踊りにも反映しているように感じられます。ニーナはABTを引退するけれど、グルジアでは踊りますよ。ニーナのようにプリンシパルを目標に踊りたい」と目を輝かせた。
 毎日10時間以上を練習に費やす、努力の結晶ともいうべき完璧を目指すABTのホープ加治屋さんの舞台が待ち遠しい。
アメリカン・バレエ・シアター(ABT):ニューヨークに本拠をおくバレエ団。アメリカ最大のバレエ団として、ニューヨーク・シティ・バレエ団と並ぶ名声を誇る。現在の母体劇場は、メトロポリタン・オペラ・ハウスである。1939年に結成され、1940年1月、ニューヨークのセンター劇場で初演をおこなった。前身はモルドキン・バレエ団で、モルドキンの弟子ルシア・チェーズがリチャード・プレザントを支配人として始めたものである。団内でのダンサーの階級は4つに分かれ、スタジオ・カンパニー、コール・ド・バレエ、ソリスト、プリンシパルの順に上がっていく。現在のプリンシパルは16人。
加冶屋さんの出演日はウエブサイトでチェック!
www.abt.org