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2025年2月14日号掲載|02
没後100周年記念展
カフカの影響力とその背景
「フランツ・カフカ」
プラハ生まれのモダニズム作家、フランツ・カフカ(1883〜1924)没後100周年を記念した展示「フランツ・カフカ」が4月13日(日)まで、モルガン・ライブラリー&ミュージアム(The Morgan Library & Museum)で開催されている。


昨年5月から10月まで、オックスフォード大学(イギリス)の図書館「ボドリアン・ライブラリー(Bodleian Library)」で行われた展示「カフカ:アイコンの誕生(Kafka: Making of an Icon)」を、モルガン・ライブラリー&ミュージアムが特集したもの。同図書館が所有するカフカの膨大な資料と情報を元に研究・構成された内容で、初期の執筆サンプルや原稿、私的な手紙・日記、用語集、文学ノート、家族写真など、その多くはアメリカ初公開となっている。
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1980年代にアンディ・ウォーホルが制作した「20世紀のユダヤ人10人の肖像(Ten Portraits of Jews of the Twentieth Century)」は、ユダヤ人の主要人物をモチーフにしたシリーズ。青を基調に描かれたカフカ=写真①=は、ウォーホルが「10人のユダヤ人の天才」と呼んだひとりだった。


展示には、カフカの短編小説「断食芸人(A Hunger Artist)」、最後の作品「歌姫ヨゼフィーネ、あるいは二十日鼠族(Josephine the Singer)」、2つの未完小説「Das Schloss(The Castle)」と「Der Verschollene (America)」などの原稿類や、カフカが結核で入院中、一番親しかった妹の「オットラ」(オティリー)と交換した絵葉書なども含まれ、主人公が昆虫として目覚める有名な小説「変身」の原稿=写真②=は、冒頭が読めるように開かれている。
不条理文学の代表といわれるカフカ。世界中の文学・演劇・映画などに与えたその影響力が、どのように誕生したかを探る展示。


Franz Kafka
■4月13日(日)まで
■会場:The Morgan Library & Museum
225 Madison Avenue
■大人$25、65歳以上$17、学生(要ID)$13、大人同伴の12歳以下無料
※毎週金曜5pm〜8pm:無料(要予約)
■https://www.themorgan.org