2019年12月20日号 Vol.364

MoMA年末恒例・映画上映シリーズ
映画史に残る秀作選出
「コンテンダーズ2019」


One Child Nation. 2019. USA. Directed by Nanfu Wang. Courtesy Amazon Studios


Honeyland. 2019. Macedonia. Directed by Tamara Kotevska & Ljubomir Stefanov. Courtesy NEON


Dolemite is My Name. 2019. USA. Directed by Craig Brewer. Courtesy Netflix


MoMAが過去12ヵ月に封切られた映画の中から、影響力のある画期的な作品を上映する「コンテンダーズ2019」が、2020年1月8日(水)まで開催中。今年で12回目を迎えたMoMA恒例の年末映画シリーズで、映画スタジオや主要映画祭を徹底的に調査、映画史に残るような作品を選出している。残りの上映作品から、いくつかをピックアップしよう。

中国生まれのナンフー・ワンとジアリン・チャンが監督した「ワン・チャイルド・ネイション」(邦題:一人っ子の国)。中国における一人っ子政策がおよぼした影響を描くドキュメンタリー。
2019年サンダンス映画祭で、グランプリを受賞した話題作。

クリス・バトラー監督のアニメーション「ミッシング・リンク」=表紙写真上=は、ストップモーション・アニメで知られるスタジオ・ライカが手掛けた5作目の長編アニメ。スタジオ・ライカは、ティム・バートン監督の「コープスブライド」で知名度を上げ、「コララインとボタンの魔女」で、ゴールデングローブ賞のアニメ映画賞にノミネート。続く「パラノーマン ブライス・ホローの謎」「ボックストロール」「クボ 二本の弦の秘密」など、次々とアカデミー賞にノミネートされている。ディズニーやピクサーとは異なる、独特の雰囲気を持った作品。

マケドニア出身のタマラ・コテフスカとリュボミール・ステファノフが監督した「ハニーランド」。舞台はマケドニアの廃れた村。電気も水道もなく、年老いた母との二人暮しだったハティジェは、ミツバチを育て、蜂蜜を採って暮らしていた。ある日、多くの牛と7人の子どもを連れた一家がキャンピング・カーでやってくると、彼女の世界は一変する。
サンダンス映画祭で、ドキュメンタリー撮影賞を始め、複数の賞を受賞した。

クレイグ・ブリュワー監督の「ドールマイト・イズ・マイ・ネーム」(邦題:ルディ・レイ・ムーア)は、実在したコメディアン、ルディ・レイ・ムーアの伝記映画。
70年代、鳴かず飛ばずだったムーアは、とことん下品に演じたキャラクター「ドールマイト」で大ウケ。「俺の名前はドールマイト!」と宣言し、ドールマイトが主役の映画制作にすべてを懸けていく。
エディ・マーフィがムーアを好演している。

ルパート・グールド監督の「ジュディ」(邦題:ジュディ 虹の彼方に)=表紙写真下=。ハリウッド女優として活躍したジュディ・ガーランドの伝記映画。彼女の晩年に焦点を当て、その苦悩と愛を描く。
全作品リストはウェブサイトで。

The Contenders 2019
■2020年1月8日(水)まで
■会場: The Roy and
 Niuta Titus Theaters
 @MoMA / 11W. 53rd St.
■一般$14、65歳以上$12
 学生$10、MoMAメンバー無料
www.moma.org

★上映リスト(抜粋)
●One Child Nation
■12月20日(金)7:30pm

●Missing Link
■12月21日(土)2:00pm

●Honeyland
■12月29日(日)2:00pm

●Dolemite Is My Name
■12月29日(日)5:00pm

●Judy
■1月5日(日)2:00pm



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