2021年12月17日号 Vol.412

古典、ヒップホップ、バーレスクなど多様
「ナットクラッカー」3選

ホリデーシーズンの定番ショー「ナットクラッカー(くるみ割り人形)」が今年も様々な場所で行われる。正統派からアダルト向けなど、多様なショーが楽しめるのはニューヨークならでは。ここでは3つの異なるナットクラッカーを紹介しよう。

ニューヨーク・シティ・バレエに出演する13歳の軍司兼成さん=写真中央=(Photo by Erin Baiano)

正統派、ニューヨーク・シティ・バレエ
13歳の軍司兼成さん出演


「正統派クラシック・バレエ」を観たいなら、迷わずニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)へ。リンカーンセンターのデビッド・コーク・シアターでの「George Balanchine's The Nutcracker」が上演中。チャイコフスキーのくるみ割り人形のオーケストラ演奏に乗せて、華やかで華麗なクラッシックバレーが繰り広げられる。衣装もセットも演出も全てが豪華で、夢のような世界に、どの世代からも愛されるボリデー限定の舞台だ。



さらに今年は、13歳の軍司兼成(ぐんじ・けんせい)さん(「WHO」コーナー参照)が大役に抜擢。主人公のマリーを救うため、おもちゃの兵隊を率いて戦うくるみ割り人形役と、マリーをお菓子の国へ導く王子役(魔法が解けたくるみ割り人形)を演じる。上演され、美しい衣装と舞台セットが夢の世界を演出する。

●2022年1月2日(日)まで
●The David H. Koch Theater:20 Lincoln Center Plaza
●$45~
nycballet.com
★軍司兼成さん出演「レッドキャスト」日程:12月14日(7pm)、17日(8pm)、19日(1pm/5pm)、22日(2pm/7pm)、24日(2pm)、28日(7pm)、30日(2pm/7pm)、1月2日(1pm/5pm)

ニューヨークが舞台の「ヒップホップ・ナットクラッカー」Photo by Tim Norris

ニューヨークが舞台
「ヒップホップ・ナットクラッカー」


ブレイクダンスやラップ、コンテンポラリーダンスを取り入れた「The Hip Hop Nutcracker」が全米ツアーを開催中。ストーリーは、チャイコフスキー版に沿ってはいるものの、舞台は伝統的な19世紀のドイツから、現代のニューヨークに変更。デジタル映像や照明を駆使し、ダイナミックなパフォーマンスで活気に溢れる世界を展開する。

★ハートフォード(CT)
●12月17日(金)7:30pm
●The Bushnell:
166 Capitol Ave, Hartford, CT
●$23~
https://bushnell.org

★ニューアーク(NJ)
●12月18日(土)2:00pm / 8:00pm
●NJPAC:1 Center St., Newark, NJ
●$29~
https://www.njpac.org

★ブルックリン(NY)
●12月19日(日)2:00pm
● Kings Theatre:
1027 Flatbush Ave., Brooklyn
● $29~
https://www.kingstheatre.com

大人向きの「ナットクラッカー・ルージュ」Photo by Mark Shelby Perry

アダルト向き
「ナットクラッカー・ルージュ」


カンパニーXIVの「Nutcracker Rouge」は大人向き。オペラやバロックダンス、バーレスクダンス、アクロバットなどを、ビキニ姿のパフォーマーたちが妖艶に披露。「お子様お断り」のエンターテイメントだ。ブッシュウィックの会場「Théâtre XIV」は、同カンパニー公演の専用シアター。少し不気味な内装と小道具で、来場者を「異世界」へと引き込む。クリスマス・イブとニューイヤーズ・イブは特別ショーが開催。チケットも特別料金になるが、他に類を見ない豪華で官能的な夜が楽しめる。

●2022年1月30日(日)まで
●Théâtre XIV :383 Troutman St., Brooklyn
●$85〜
companyxiv.com


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