2021年12月17日号 Vol.412

利益を社会へ還元するのは自然なこと
今井千恵「CHIE IMAI」

今井千恵氏(左)とリーウ夫妻の子どもたち(左から:ウィル氏、アレクサンドラ氏、マシュー氏)/ (写真右)オリジナル商品「スーパーベア」

ラグジュアリー・ブランド「CHIE IMAI(チエ イマイ)」(リードデザイナー今井千恵氏)が、アメリカのクリストファー&ダナ・リーヴ財団をサポートする支援金キャンペーンを11月10日から1ヵ月に渡り実施。オリジナル・チャリティ商品の「スーパーベア」を含む売り上げの50%(税別)を寄付した。

同財団は、初代スーパーマン役(リチャード・ドナー監督映画)で知られる俳優のクリストファー・リーヴ氏が落馬事故で脊髄を損傷したことで、同じ障碍を持つ人々の支援を掲げて設立。リーヴ氏と妻のダナ氏が他界した後は、彼の子どもたち(アレクサンドラ氏、マシュー氏、ウィル氏)がその遺志を継いでいる。



1999年、NYに会社を設立した今井氏、友人の紹介でリーヴ夫妻と出会ったことで、2003年から同財団のサポートを開始。新型コロナウイルスのパンデミックにより、毎年出席し、副会長を務めていたチャリティ晩餐会「マジカル・イブニング・ガラ」が中止となったものの、「日本に居ながらでもできることはある」と数年前から行っていたキャンペーンを継続。今井氏は「リーヴ氏のように、障碍を抱えながら人生に対して前向きな方にお会いしたことはなく、彼のボキャブラリーには『不可能』という言葉はありませんでした」と当時を振り返る。

東日本大震災支援を目的に開催したチャリティー・イベントには多数の有名人が参加、復興への願いを込めたキャンドルトーチが行われた

2011年に起きた「東日本大震災」においては、1日も早い支援の必要性を感じ、震災から1ヵ月後の4月12日に「チャリティー・コレクション・ショー」を開催。当日はデンマーク王国駐日大使も出席し、「私たちもサポートさせていただきますが、日本人自らが、復興のために何をなすべきかを考えることが重要。そういう意味でこのショーは、とても素晴らしい試みだ」と賞賛。さらに今井氏は「5年後には復興していて欲しい」という願いを込め5年間に渡り、福岡県庁を通して宮城県庁へ総額約3500万円を寄付した。

高松宮妃喜久子殿下が創設した癌撲滅を目的に活動する「高松宮妃癌研究基金」へは、1991年から30年以上サポートを継続。長年の貢献に対して2019年、第3代総裁・常陸宮正仁親王殿下から賞状が授与された。

今井氏は、「利益を社会へ還元するのは自然なこと。私だけが特別な事を行っている訳ではありません。個人ができることは大きくないかもしれませんが、今後も可能な限りの社会貢献を続けたいと考えています」と話す。

職人技で作られる「モザイク ドゥ チエ」

「CHIE IMAI」では、キャンペーン期間のみならず、年間を通して売り上げの一部をクリストファー&ダナ・リーヴ財団へ寄付している。海外発送可能な商品もあり。詳細はウェブサイト(別記)から問い合わせを。

モザイク ドゥ チエ「新世界」

「洋服のように軽く、色鮮やかで、日常的に着られるファー」をコンセプトに今井が誕生させた「モザイク ドゥ チエ」。同ブランドのアイデンティティーであり、シグネチャー・アイテムとして親しまれてきた。精密で細かい生産工程となるため、一つ一つが手仕事だ。時間と熟練した職人技が必要なために年間生産数が限られていることからも、「身に纏う芸術品」と評されている。

そんな今井が紡ぐ2021〜2022コレクションのテーマは『MOSAIQUE de CHIE「新世界」』。新しい色としてピュアなホワイト、フレッシュなミントグリーン、ノーブルなパープルがラインナップ。トレンドのビッグカラーケープ、ショートスリーブブルゾン、モードなコートなど、様々なシーンに対応。また、ファーだけでなく、最上級のスパニッシュラムレザー、レース、日本三大織物の一つの博多織など、バリエーション豊かな素材を使用した商品を展開している。

「誰もが着たいと思う日常性と楽しさとオリジナリティ、そして日本の情緒を加えたモノづくり」を掲げる今井は、常に「新世界」を目指している。



CHIE IMAI 
https://chieimai.com


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