2019年11月29日号 Vol.363

「持たざる者」へ手を差し伸べる
新演出 「クリスマス・キャロル」
ブロードウェイで


Campbell Scott (center) and the Broadway cast of A Christmas Carol. Photos by Joan Marcus


Campbell Scott (center) and the Broadway cast of A Christmas Carol


イギリスの小説家、チャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」(1843年)が、ブロード・ウェイに再登場。ロンドンのオールド・ヴィック・シアターで絶賛された新演出作品で、2020年1月5日(日)までの限定公演。

主人公は、強欲でエゴイスト、思いやりのカケラもない初老の商人、スクルージ。クリスマス・イブの夜、7年前に死んだ共同経営者のマーレイの幽霊が、スクルージの前に現れる。マーレイは、欲に囚われた人間は死後も苦しむことを示し、「お前がそうならないように」と、これから3人の「クリスマスの精霊」が出現することを伝えて消える。その言葉通り、スクルージの前に現れた3人の精霊たちは、それぞれ、スクルージの「過去」「現在」「未来」を見せていく。

スクルージを演じるのは、ニューヨーク生まれのキャンベル・スコット。ブロードウェイ作品に加え、テレビや映画でも活躍する俳優だ。
脚本は、トニー賞を受賞した「ハリー・ポッターと呪いの子」のジャック・ソーン、監督は、ミュージカル「マチルダ」のマシュー・ ウォーカス、セットと衣装デザインは、「ザ・フェリーマン」でトニー賞を受賞したロブ・ハウエルが担当する。
「きよしこの夜」「諸人こぞりて」「天なる神には」を含む、12曲の有名なクリスマス・キャロルが、、物語をより叙情的に彩る。
裕福な「持つ者」は、社会的弱者の「持たざる者」へ手を差し伸べるべきだ、というディケンズのメッセージが、受け継がれている。

A Christmas Carol on Broadway
■2020年1月5日(日)まで
■会場:Lyceum Theatre
149 W. 45th St.
■$79〜
www.achristmascarolbroadway.com



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