2020年11月27日号 Vol.387

NYの路上、コタツの誘惑
野外で食べるジンギスカン!
北海道料理「ドクター・クラーク」


堀りゴタツ式なので膝が痛い人でも安心、コタツ1台で3〜6人用

コロナで最も割を食った業界の一つが飲食業界だろう。アウトドアで夏を凌いだものの、さて冬はどうよ…と思っていたら、「ドクター・クラーク」という北海道料理の店が、路上にコタツダイニングを設置しているっていうじゃないの。早速行ってきた。考えたら、春以来初の外食。用心に用心を重ね、今までデリバリーに徹してきたのだが、コタツの誘惑に負けた!

11月半ば、よりにもよって厳寒の日の夕方5時、4人で予約を入れた。ちなみに予約は3人以上だ。「店名は、Boys, be ambitious.のクラーク博士だろうな。現代ならきっと博士はBoys and girlsって言っただろうな〜」などと余計なことを考えながら、靴を脱いでコタツに入る。椅子風に座れるようになっているので、膝が痛い人もご心配なく。

メニューは、テーブルに置かれたQコードをスマホでスキャン。従来のような印刷メニューはもとより、近年のタブレットメニューも、パンデミック仕様になるとQコードになるのかと、ひとしきり感心。
マスクを外すタイミングは、やっぱ日本酒が運ばれてきてからだ。気前よくたっぷりのグラス酒で、久々に会った面々と乾杯した。

にしても、コタツの中は暖かいが、外気まで暖まらないので、華氏30度台と冷え込んだこの日は、マスクを外した鼻の頭は冷たかった。手もちょっとかじかんだ。でも、「なんだかそこがイイ!」的な雰囲気満々で、ワクワクした。


お兄さんが手慣れた手付きでジンギスカンをパパっと準備

ジンギスカンを注文すると、小型の卓上コンロと共に、ラム肉と野菜がたっぷり運ばれてくる。サーバーの若いお兄さんが上手に準備してくれて、モクモクと湯気が上がるのを見ながら、ラムとニラが焼ける香りに包まれ、体も心も暖まった。

前菜で頼んだホタテのカルパッチョも絶品。ザンギ(北海道風鳥の唐揚げ)は、味付けといい、中ほくほく・衣カリカリ感といい、これも絶品。「サーモン・ちゃんちゃん焼き」も北海道名物だ。フォイルに包んだサーモンの味噌仕立てで、サーモンがでっかい。

寒い中で食べるからこそ美味い料理、というコンセプトらしいが、厳寒の中、実に楽しいコタツダイニングだった。オーナーさんがサービスしてくれたチーズケーキも、甘味控えめの和風で、軽い食感。アズキ餡こが乗っていた。


北海道名物の「サーモン・ちゃんちゃん焼き」

料理の値段は決して高くない。最終的なお勘定は、「酒飲みがどれだけ飲むか」による。あと、今回試さなかった「ラーメンサラダ」も気になるので、また行こう。

パンデミックはいい加減収束してほしいが、過酷な状況だからこそ生まれるアイデアというものもある。コタツダイニングも然り。これから市の飲食業界への規制がどうなるかは分からないが、可能な限り応援していきたいという思いを強めた「ドクター・クラーク」での夕食会だった。(ささききん)


ドクター・クラーク(Dr. Clark)
■104 Bayard St. (bet. Mulberry & Baxter Sts.)
■Tel: 646-998-3408
www.drclarkhouse.com
※コタツの予約は「OUTDOOR KOTATSU」を指定すること



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