2018年11月16日号 Vol.338

NY日商第34回年次晩餐会
ブルームバーグ氏が講演

Ka-Na
(左から) 水原秀元氏、梅田恒樹氏、マイケル・ブルームバーグ氏、馬越恭弘氏、馬越佳奈氏、千住博氏、ジョージ・タケイ氏、ビンセント・コールマン氏(Photo by Andrew Levine)


ニューヨーク日本商工会議所(JCCI)(会頭:水原秀元・北米三菱商事会社社長)が10月30日(火)、ミッドタウンのヒルトン・ホテルで第34回年次晩餐会を開催した。
日米財界人の交流親睦と、ビジネス関係の強化を目的として毎年開催される大規模なチャリティーイベントで、今年も日米約800人のビジネス・リーダーが参加。広いボールルームを埋めた。
晩餐会の収益金は、慈善基金「JCCファンド」を通じ、日米友好、教育振興、地域貢献活動など、幅広く役立てられる。
今年のディナー・チェアマンは、東京海上アメリカ社長の梅田恒樹(こうき)氏だった。共同チェアマンはプライス・ウォーターハウス・クーパーズのニューヨーク・メトロ副社長ビンセント・コールマン氏。
基調講演は、元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏だった。世界規模のデータ・メディア企業の創設者であり経営者、さらには慈善家、環境運動家の顔も持つブルームバーグ氏。多分野をリードする大物の生の声に、来場者は耳を傾けた。
講演は、コールマン氏によるインタビュー形式。二人とも椅子に座りながら、リラックスした雰囲気で進められた。データ会社としてのブルームバーグ社の初の海外拠点が東京オフィスだったことから、ブルームバーグ氏は、日本人社員の採用試験での笑い話など、日米の職場カルチャーの違いについて体験談風に振り返った。
地球温暖化問題への取り組みがいかに重要かについても熱弁を振るった。最後に、コールマン氏が今後の抱負について質問。折しも中間選挙を翌週に控えたタイミングでの晩餐会であり、正式に民主党登録を発表したばかりのブルームバーグ氏が、今後政治的にどんな動きを見せるかは、参加者も注目するところだ。
大統領選挙への出馬が囁かれるブルームバーグ氏は、明言は避けながらも、「この国はモラルを持った、環境問題も含めて世界と協力していけるリーダーが必要だ」と語り、会場からは大きな拍手が起こった。
そして、今年の功労賞「イーグル・オン・ザ・ワールド」は、俳優のジョージ・タケイ氏と、日本画家の千住博(せんじゅ・ひろし)氏に贈られた。この賞は、日米・世界の友好と理解に貢献した個人に与えられる。
さらに、今年1月に亡くなった、レストラン日本の創設者・倉岡伸欣(のぶよし)氏に特別賞が贈られた。アメリカでの日本食の普及に尽力し、その活動を通して日米友好に顕著な功績を残したことが認められた。亡くなった倉岡氏の代わりに、同レストラン営業責任者・副社長である馬越恭弘氏が舞台に上がり、挨拶した。


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