2018年11月16日号 Vol.338

「エルトゥールル号展」
トルコと日本、友好の航路

エルトゥールル
沈没したエルトゥールル号の遺品


日本ギャラリーで11月27日(火)から29 日(木)まで、特別展示「エルトゥールル号展:トルコと日本、友好の航路」が開催される。両国の友好を軸にした平和コンサートが、11月29日(木)カーネギーホールで開かれるが、それと関連した展示となる。
同展には、両国に残る史実が背景にある。1887年9月16日、答礼のため日本に表敬航海したトルコの軍艦エルトゥールル号が、台風に遭遇し和歌山県串本沖で遭難沈没。漆黒の闇と嵐の中、串本樫野崎の島民が乗組員の救出に当たった。
そのエルトゥールル号事件から約100年たった1985年3月、イラン・イラク戦争が勃発。自国派遣の航空機で次々とテヘラン空港から脱出する外国人だったが、日本は救出機を出せず、215人の日本人が取り残されてしまう。「百年前の恩を忘れていない」とトルコは、日本人救出のため、戦火の空港へトルコの航空機を派遣した。

2007年から、トルコの海洋考古学者トゥファン・トゥランル博士、ベルタ・リエド博士をはじめとする「エルトゥールル号海底遺品発掘調査団」により、130年前に沈没したエルトゥールル号の遺品8130点が引き上げられた。展示では、それらの遺品の中から一部が展示される。当時の歴史を語る貴重な遺物や、発掘調査・脱塩処理・保存処理・復元・写真記録・遺物の研究など、水中考古学を取り巻く様々な活動をパネルと映像で紹介し、当時を振り返る。
子供向けには、トゥランル博士が書いた絵本から一部を抜粋し、イラストでエルトゥールル号の海難について紹介する。

■11月27日(火)〜29日(木)
■会場:日本ギャラリー
 145 W. 57th St.
■TEL: 212-581-2223
■入場無料
www.nipponclub.org



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