2021年11月12日号 Vol.410

パペット&ビデオアート
「9000の ペーパー・バルーンズ」

オフオフ・ブロードウェイシアターHERE主催の日本公演シリーズ第2弾「9000のペーパー・バルーンズ(9000 Paper Balloons)」が、11月2日(火)から始まり、12月31日(金)までオンライン配信されている。公演は日米バイリンガル。字幕付き。チケット購入後は、配信期間中何度でもオンデマンド視聴が可能。

「9000のペーパー・バルーンズ」は、パペトリー(操り人形)とアート、ビデオアートを混合したオンラインパフォーマンス。日米両国で活動するアーティスト/パペッティア(操り人形師)菊地麻衣子と、アメリカの若きパペッティア、スペンサー・ロットによるコラボレーション作品だ。ロットは、テレビ「セサミストリート」にレギュラー出演するほか、トム・ハンクスへのパペット指導で今注目のアーティスト。演出は、現在ニューヨークで話題の日本人作家/演出家・アヤ・オガワ。



第二次世界大戦終盤、日本軍は和紙とこんにゃく糊で作られた気球に爆弾を吊り下げた「風船爆弾」を製造。1944年11月から翌年3月まで約9000弾が米本土に放球された。この作品は、この嘘のような本当の話「風船爆弾」にまつわる日米のエピソードを振り返りながら、国の違い、世代の違い、または物理的な距離のために生まれる人間の隔たりについて、人間らしい温かみのあるアプローチで問いかける。

菊地とロットは、「最初は大きな爆弾の威力がドカーンと感じられるような作品を作ろうとしていたんです。でも作っているうちに、もっと身近で、個人的な琴線に触れるべき作品だと気付きました。自分たちのおじいちゃんとの会話など、個人的な記憶を通して、色々な意味での隔たりを崩せる作品にできればと思っています」と語る。

アーティストでもある菊地のパペトリーは、子ども向けパペットショーとは一線を画す。幻想的でシュール、時々ニヤリとさせられる作品に仕上がっている。

ロットのパペトリーは綿密、繊細で愛らしく、クローズアップで見ることによりさらにその細かな演技に唸らされる。

アヤ・オガワによるビデオと舞台芸術を巧みに融合させた演出で、オンラインパフォーマンスとしての新しい表現を確立している。

■12月31日(金)まで
■オンライン配信
■チケット:希望額支払い($10~50)
■チケット予約:
https://here.org/shows/9000-paper-balloons
※購入後は配信期間中、何度でもオン・デマンド視聴可能


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