2021年11月12日号 Vol.410

第25回シュリチンモイ自己超越3100マイルレース
瀬ノ尾さん3100マイル走破、史上51人目

3100マイル(4989キロ)を走破した瀬ノ尾さん (Photo courtesy of Sri Chinmoy Marathon Team)

3100マイル(4989キロ)を制限時間52日以内で走る世界最長の公認レース「シュリチンモイ自己超越3100マイルレース(Sri Chinmoy Self-Transcendence 3100 Mile Race)」が、9月5日(日)から10月26日(火)までクイーンズで行われた。
 
25回目を迎えた今回は、日本から瀬ノ尾敬済(セノオ・タカスミ)さんが参加。51日12時間50分52秒で3100マイル走破を達成。完走は日本人初で、1997年にレースが始まって以来、史上51人目の完走ランナーとなった。

ランナーは毎日18時間(朝6時~夜中12時)近く走り続けることから、様々な困難に直面。コースがコンクリートの歩道のため靴の消耗が激しく20~30足を履き潰す。マメ、スネの骨(脛骨)の周りにある骨膜が炎症を起こすスポーツ障害のシンスプリント等、怪我の手当をしながら走り続ける。体重・体力維持は必須で、1日7000~10000キロカロリーを摂取するため、ランナーは動きながら食べ続ける。日常的な生理現象もあり、瀬ノ尾さんはそれらのハードルを見事克服し、時間内での完走に繋げた。

大会には医療スタッフのほかに、ランナー付きのヘルバーがおり、食事や水分補給をサポート。同レースの重要な役割を担っている。



主催はシュリチンモイ・マラソンチーム。1970年代から様々なランニングイベントを主催、特にウルトラレースの開拓・向上に貢献。日本でも神宮外苑での12・24時間レース等を開催している。創始者のシュリ・チンモイはインド出身。40数年ニューヨークを基盤に国連本部での平和瞑想・スポーツ・芸術・音楽を通した平和推進活動を展開。一人一人が自分の限界を越える(Self-Transcendence)重要性を強調、3100マイルレースはその機会とインスピレーションを提供している。
 
レース後、瀬ノ尾さんは、「自分の力を出し切った、渾身のレースができたと思います。今はホッとしたというより、また明日もレースが続いて欲しいと思ってしまいます。昔インドのお坊さんに言われた『走ることも禅ですよ』の言葉を思い出し、走っている時は『無』、走ることは『禅』だと思い、3100マイルを走りました。日本の皆さん、応援してくれてありがとうございました」とレースを振り返った。

ヘルパーでもある夫人と (Photo courtesy of Sri Chinmoy Marathon Team)



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