2022年11月11日号 Vol.434

ジャパン・ソサエティーと国際文化会館
戦略的パートナーシップ締結

近藤正晃ジェームス氏(国際文化会館理事長)(左)とジョシュア・ウォーカー氏(ジャパン・ソサエティー理事長)

ニューヨークのジャパン・ソサエティー(JS)と、東京の公益財団法人・国際文化会館が11月2日(火)、戦略的パートナーシップを締結した。

今年創立115周年を迎えたJSと、同70周年を迎えた国際文化会館は、歴史を振り返り、未来を形作る取り組みを推進している。今回のパートナーシップはその一環として、包括的な連携を強化するため。

国際文化会館は、日本と世界の人々の文化交流と知的協力を通じて、国際相互理解の増進を図ることを目的に、1952年ロックフェラー財団をはじめとする国内外の諸団体・個人からの支援で設立された非営利民間団体。JSはニューヨークを拠点に、日本の芸術、文化、ビジネス、社会を世界の人々につなげる、全米随一の日米交流団体だ。

両団体には共通点も多い。国際文化会館創設に携わったジョン・D・ロックフェラー三世が、長年JS理事長を務めていたほか、両団体の建物の設計は、日本モダニズム建築の巨匠の一人・吉村順三が手がけている。国際文化会館本館は、日本の「登録有形文化財」、JSビルは「ニューヨーク市歴史的保存建築」に指定されている。

今後は、縁もゆかりも深いこの両団体が連携し、優れた建造物とその空間が可能にする対話・交流・創造の可能性を共に探求し、その価値を社会に発信していく構えだ。



今回のパートナーシップ締結について、国際文化会館理事長・近藤正晃ジェームス氏は次のように話している。

「国際秩序が不安定になる中で、日米関係の重要性はますます高まっています。創設時から縁が深いJSと戦略的パートナーシップを締結し、包括的な連携を強化することには歴史的な意義があります。東京とニューヨークにそれぞれ素晴らしい拠点を持つ組織として、双方の活動の幅とインパクトが広がり、深まるように協力していきたいと願います」

一方でJS理事長ジョシュア・ウォーカー氏は次のように述べている。

「JSと国際文化会館は、その設立や勃興期において、戦後の日米関係構築に尽力したロックフェラー三世の意志と、組織としてのミッションの多くを共有しています。両者の社屋が、建築家吉村順三の設計であることは、単なる偶然ではありません。文化・金融・世界の外交の拠点であるニューヨークと東京から、国際的視点で日米関係を最善の形で体現できることを願っています」


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