2022年11月11日号 Vol.434

早坂寿輝・NY初個展
「武士の一太刀」

東京を拠点にするアーティスト早坂寿輝(はやさか・としき)のニューヨーク初個展「武士の一太刀」が、11月23日(水)から28日(月)まで、イーストビレッジのギャラリーで開催される。この個展のために制作した新作を発表する。

早坂の哲学は「今を生きる」。「私たちは一瞬を懸命に生き、その一瞬の積み重ねが人生なのだと気づかなくてはなりません」という早坂のメッセージが、新作シリーズ「武士道」に込められている。全作品は丸いキャンバスに描かれている。

早坂は、1990年宮城県仙台市生まれ。2012年に東北学院大学経済学部を卒業。在学中に消防隊に所属しており、2011年の東日本大震災では人命救助にあたっている。



救助中、あるおばあさんの「ありがとう」という言葉が、強力な力を持って早坂の心に響いたことが、「言霊」という制作テーマへと早坂を導いた。

パンデミックでまたしても多くの命が失われ、今まであった日常が様変わりしてしまった。「過去に生きた武士たちも、生死を分ける日々を過ごしていました。彼らの崇高な精神、責任感の強さ、正義を貫く姿は、今も変わらず日本人の倫理観や道徳心として深く根付いています」と早坂。

作品制作にあたり、早坂はまず心に色と一太刀を思い描き、それをキャンバスにぶつける。そのシンプルで洗練された表現は禅の静けさ。一方で、その表現力は鮮明な色と相まって、火山から流れるマグマのように力強いもの。使われた顔料の安山岩は、マグマが冷えて固まった岩を粉にしたものだという。早坂の作品には「静」と「動」とが共存している。

個展開催中はギャラリー内で、ライブで作品制作を行う。

■11月23日(水)〜28日(月)
■オープニングレセプション:
 23日(水)4:00〜7:00pm
■会場:Time Gallery
 178 Bleecker St. 2nd Fl.
newyork@timeartsus.com
www.timeartsus.com


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