2018年11月2日号 Vol.337

ウォーホル生誕90年
350点以上でキャリア包括
アンディ・ウォーホル回顧展

アンディ・ウォーホル
Andy Warhol (1928-1987), Green Coca-Cola Bottles, 1962. © 2017 The Andy Warhol Foundation for the visual Arts, Inc./ Artists Rights Society (ARS), N.Y.

アンディ・ウォーホル
Andy Warhol (1928–1987), Empire, 1964. © 2018 The Andy Warhol Museum, Pittsburgh, PA, a museum of Carnegie Institute. All rights reserved.


今年8月6日、ポップアートの旗手、アンディ・ウォーホル生誕90年を迎えた。それを記念し、ホイットニー美術館で11月12日(月)から2019年3月31日(日)まで、回顧展「Andy Warhol—From A to B and Back Again」が開催される。初期から晩年までのキャリアを包括。展示作品は350以上にのぼり、1989年にMoMAが開催した回顧展以来の大規模な展示となる。
同展タイトル「From A to B and Back Again」は、19 75年に出版されたウォーホルの自伝「The Philosophy of Andy Warhol(邦題:ぼくの哲学)」のサブタイトル。同書には「Bと僕:どのようにアンデイがウォーホルになるか(B and I:How Andy Puts His Warhol On)」と記されている。同展では、そんなアンディ・ウォーホル作品を6つの時系列で展開する。

展示冒頭は、19 48年から1960年までの初期作品。1949年夏、ペンシルベニア州ピッツバーグからニューヨークへ移ったウォーホルは、商業イラストレーターとしてキャリアをスタート。広告や雑誌などのイラストを描き、その独自性が注目されていく。
シルクスクリーン作品で一躍メジャーとなる1960年代。「ひとつの作品を時間をかけ丹念に仕上げることが芸術だ」とされてた時代に、大量生産が可能な作風は「アートか否か」という議論にまで発展。最も良く知られているシリーズは、1962年から68年までの6年間に制作したもので、マリリン・モンローやエリザベス・テイラーなどの有名人をモチーフにしたことで、自身の名とその作風を確立させた。
1963年の初めにはニューヨークのアート界が注目する人物に数えられ、63年から68年にかけて60本以上のフィルムを制作。エンパイア・ステート・ビルディングを夕暮れから8時間撮影した「エンパイア」、マッシュルームを食べる男を45分間記録した「イート」など実験的要素が強く、中には過激なものもあり、一般上映されたフィルムは極めて少なかった。
ロックバンドのプロデュース、依頼されて制作した多数のポートレート、晩年のコラボ作品など、社会におけるアーティストの役割を拡大したウォーホル。その時世を映した作品群に、当時の姿が見えてくる。

Andy Warhol - From A to B and Back Again
■11月12日(月)〜2019年3月31日(日)
■会場:Whitney Museum of American Art
 99 Gansevoort St.
■大人$25、学生/シニア$18、18歳以下無料
whitney.org


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