2019年11月1日号 Vol.361

草月流・勅使河原氏による
大規模インスタレーション
「ブルーム & バンブー」


Courtesy Longwood Gardens. Photo by Davis Harold Hank


Courtesy Longwood Gardens. Photo by DeGuiseppi Carol



ペンシルベニア州のケネット・ガーデンにある植物園「ロングウッド・ガーデン」で、竹と菊をフィーチャーした展示「ブルーム & バンブー」が10月3日(木)に始まり11月17日(日)まで開催している。手掛けたのは、「草月流」の第四代家元・勅使河原茜(てしがはら・あかね)氏=写真=。「Pulsation(脈動)」と題された大規模なインスタレーションだ。

「ロングウッド・ガーデン」から依頼され、3年程前から準備をしてきた勅使河原氏。今年9月、ジョージア州の竹林で栽培された長さ26フィートの竹635本が同園に到着。時を同じくして東京の草月流本部から5人のメンバーが来米し、地元の草月支部からボランティア約70人と、ロングウッドのスタッフが協力して2つの大作を完成させた。
ひとつは、「センター・ウォーク」に設置された約300本の竹のインスタレーション。一見、無造作に組まれたような竹がトンネルを形成し、来場者はその内部を通り抜けることができる。
もうひとつは、ホール「フェーン・フロアー」内にそびえ立つ巨大なインスタレーション。竹の特性である弾力性を生かし湾曲させることで、生命が宿る流動的なイメージを表現。竹が複雑に編まれたような姿は、日本人に馴染み深い「水引」を連想させる。
圧倒的な存在感を放つこれらの作品に加え、日米の草月メンバーが手掛けた23点のアレンジメントが展示場全体に設置。文字通り、会場に「華」を添えている。
「こんな展示は2度と観られない!(サウザン・チェスター・カントリー・ウィークリー)」、「竹とフラワー・アレンジメントの傑作である」と、地元メディア(Patch)の評価も高い。
同展を企画したロングウッド・ガーデンは、「我々が培ってきた菊を育てる技術と、斬新な草月流・勅使河原氏のテクニックを組み合わせることで革新的な展示となった。一生に一度の素晴らしい体験ができるでしょう」と述べている。
勅使河原氏は、「日本や世界各地で20年以上に渡り、竹を使った様々なスタイルの展示を行ってきました。その中でも、この2つのインスタレーションは、規模と竹を扱う技術において、最も素晴らしいものです」とコメントを残している。

Blooms & Bamboo
■11月17日(日)まで
■会場:Longwood Gardens
 1001 Longwood RD
 Kennett Square, PA
■大人$25、学生/シニア$22
 5-18歳$13、4歳以下無料
longwoodgardens.org



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