2019年11月1日号 Vol.361

小泉凡氏講演会
「ラフカディオ・ハーンを現代に生かす」
墨書と音楽パフォーマンスも


ギター演奏に合わせて完成させた大作


(左から)小泉凡氏、書家の七澤菜波氏、ギタリストの山本恭司氏


日本クラブは、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲1850-1904)渡米150年を記念して、小泉凡氏(小泉八雲曾孫)を招き10月23日(水)、「ラフカディオ・ハーンを現代に生かす」と題した講演会を開催した。

十数冊の著作で、日本人の精神文化を世界へ伝えたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)。ちょうど150年前の1969年、単身でニューヨークに到着。来米後はジャーナリストとして活躍した。1890年に訪日し、日本で英語教師として教鞭を執った。

島根県立大学短期大学部名誉教授で、小泉八雲記念館館長・焼津小泉八雲記念館名誉館長の凡氏は講演会の中で、「ハーンゆかりの地で彼の再評価が高まりつつあります。単なる研究対象という価値観にとどまらず、八雲の多面性を持つ人物像を現代に生かすことが、子孫である我々の務めだと考えます」と語った。講演会には島根出身の俳優・佐野史郎氏も来場した。

講演後は、書家の七澤菜波氏とギタリストの山本恭司氏が「逢魔―小泉八雲の精神と書が出会う」と題したパフォーマンスを披露。「書とギターには共通する点がある」と語る七澤氏。山本氏の演奏に合わせ、筆以外にも花を使い、数メートルにも及ぶ墨書を完成。無である紙の上に、見えない狭間、「逢魔」の世界を独自の解釈で表現した。


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