2020年10月30日号 Vol.385

NY市警タスクフォース
増えるアジア系へのヘイトクライムに対応



パンデミックを機に、ニューヨーク市内でアジア系へのヘイトクライムが増加している。中国人と間違えられ暴行を受けた日本人被害者もいる。こうした背景を受けて、市警(NYPD)がこの夏から、「アジア系ヘイトクライム・タスクフォース」を編成している。一つの人種に絞ったヘイトクライム対策が講じられるのはこれが初めてだという。

このタスクフォースはアジア系警察官25人で構成され、9つのアジア系言語に対応。アジア系被害者は、主に言語の問題から警察への被害届を出さないケースも多いという。タスクフォースは、そうした被害者を対象に、アジア系警官が被害現場での対応から法的手続きまでを支援するのが目的だ。

市内でのヘイトクライムは近年減少傾向にあるが、今年は新たにコロナウイルス関連のヘイトクライムが、カテゴリーとして加えられた。

アジア系ヘイトクライム・タスクフォースを率いるマーク・モリナリ警部補は、「コロナウイルスが中国で発生したことから、意味もなくアジア系をターゲットにした嫌がらせが増えているのは確か」と話している。10月までで、被害届の受理件数は23件。そのうち1件を除くすべてがアジア系被害者だという。

一人一人が夜間の外出を避けるなど、被害に遭わないよう考えながら生活することが肝心だ。もし被害に遭ったら、被害現場から「911」に電話するよう、ニューヨーク市は市民に呼びかけている。過去にあった被害を届ける場合は、最寄りの分署に電話するか、直接出向くこと。
いずれの場合も、アジア系ヘイトクライム・タスクフォースに連絡を取りたいと申し出るなど、積極的にサービスを利用することが勧められる。



■連絡先:NYPD Hate Crime Task Force
Deputy Inspector Mark Molinari
Commanding Officer
Hate Crime Task Force
19 ½ Pitt St. 3rd Fl.,New York, NY 10002
■TEL: 888-440-HATE ■hctf@nypd.org
www1.nyc.gov/site/nypd


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