2021年10月29日号 Vol.409

11月カーネギー、注目2選!
フィラデルフィア管弦楽団
ピアニスト ダニール・トリフォノフ

The Philadelphia Orchestra (Photo by Chris Lee)

毎年11月ともなると、カーネギーホールでは大物アーティストによるコンサートが増えてくる。だが今年は、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で、残念ながらカーネギーホール公式主催のイベントは、例年ほど予定されていない。それでも注目のコンサートがいくつか行われるので、その中から二つを紹介したい。



まずは今月初めにカーネギーのオープニングガラコンサートを大盛況の内に終えたフィラデルフィア管弦楽団が11月9日に帰ってくる。

カーネギーでのコンサートは毎回大好評の同オーケストラは、今回も意欲的なプログラムを用意。ベートーベンの交響曲第7番と、人気曲の交響曲第8番。また、現代音楽作曲家のカルロス・サイモンがベートーベンの日記からインスピレーションを受けて作曲したという「Fate Now Conquers」も演奏される。

指揮は2012年より同楽団音楽監督を務めているヤニック・ネゼ=セガン。ご存知のようにネゼ=セガンはメトロポリタン・オペラの音楽監督でもあり、現在最も多忙な世界的指揮者の一人。

なお、フィラデルフィア管弦楽団は今シーズンあと5回、12月7日、2022年1月11日、2月8日、4月8日、4月21日にカーネギー公演を行う予定。そちらも要チェックだ。

Daniil Trifonov (Photo by Fadi Kheir)

17日には、ロシア出身のスターピアニスト、ダニール・トリフォノフが登場。

2009年にモスクワのグネーシン音楽大学を卒業したあと、2015年まではクリーブランド音楽院にて研鑽を積んだ。2011年に行われたルービンシュタイン国際ピアノコンクールで第1位、その数週間後に行われたチャイコフスキー国際コンクールでも第1位および全部門でのグランプリを獲得するなど輝かしいコンクール歴の持ち主。作曲家でもあり、30歳にして圧倒的な技巧と柔軟な音楽性で、すでに巨匠クラスの精力的な活動を続けている。

今回のプログラムは以前にも増してバラエティに富んだもの。シマノフスキのソナタ第3番、ドビュッシーの「ピアノのために」、プロコフィエフの「風刺(サルカズム)」、そして締めはブラームスの大曲、ソナタ第3番へ短調。

カーネギーホールへの入場は、ニューヨーク市のコロナ感染予防ガイドラインに従いワクチン接種者のみに限定。またチェックイン時の混雑を避けるため、購入チケットには入場時間と入場口が指定されている。(木川貴幸)

The Philadelphia Orchestra
■11月9日(火)8:00pm
■12月7日(火)8:00pm
■2022年1月11日(火)8:00pm
■2022年2月8日(火)8:00pm
■2022年4月8日(金)8:00pm
■2022年4月21日(木)8:00pm
$21〜

Daniil Trifonov
■11月17日(水)8:00pm
$25〜

■会場:Carnegie Hall
Stern Auditorium / Perelman Stage
881 Seventh Ave.
■212-247-7800
www.carnegiehall.org


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