2021年10月29日号 Vol.409

故人の顔写真を砂で表現
コロナで亡くなった人々を偲ぶ
「砂時計の亀裂:進行するCOVID-19記念碑」

Courtesy of Museo Universitario Arte Contemporáneo. © Rafael Lozano-Hemmer. (Photo: Courtesy of the artist)

ブルックリン美術館で10月29日(金)から、新型コロナウイルス(以下コロナ)で亡くなった人々をテーマにした展示「砂時計の亀裂:進行するCOVID-19記念碑(A Crack in the Hourglass, An Ongoing COVID-19
Memorial )」が開催。作者は、メキシコ・シティ(メキシコ)生まれで、モントリオール(カナダ)を拠点に活動するアーティスト、ラファエル・ロザーノ・ヘマー。

昨年から続くコロナ禍で大勢が死亡。パンデミックの最中は感染抑制のため集会が禁止、人々が集まる葬儀なども禁止されていた。

本展は、「失われた愛する人を、皆で偲ぶ」ことをテーマにした作品。黒いパネル上に、コロナで亡くなった人の顔写真をAIロボットが砂時計の「砂」を利用して表現。ひとつのポートレートが完成すると写真としてウェブサイトに保存記録された後、重力を利用して消去。その後、AIロボットは同じ「砂」を使い、次のポートレートを制作する、という流れだ。さらさらと流れる砂は、パンデミックで人々が経験した「時間感覚の崩壊」も意味している。

オリジナルは2020年11月、メキシコ・シティのU NAM現代美術館からの依頼で制作されたインスタレーションで、ブルックリン美術館では同作を「ライブ」で体験できる初の機会となる。



ウェブサイトで故人の写真を募集
プロジェクトは現在も進行中で、専用サイト(www.acrackinthehourglass.net)では、コロナで他界した人々の写真提供・参加を呼びかけている。同サイトの「participate」を選択し、故人の名前、誕生日、死亡日、故人へのメッセージ、投稿者の名前、Eメールアドレス(イメージが完成した際に通知される)を入力、「SELECT IMAGE」をクリックして投稿写真を選択、「SEND」で終了だ。すべて英語で登録すること。

Rafael Lozano-Hemmer: A Crack in the Hourglass, An Ongoing COVID-19 Memorial
■10月29日(金)〜2022年6月26日(日)
■会場:Brooklyn Museum
 200 Eastern Parkway, Brooklyn
■大人$16、学生/65歳以上$10、19歳以下無料
www.brooklynmuseum.org


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