2022年10月28日号 Vol.433

缶詰アートで飢餓を支援
観覧無料、未開封缶詰などの寄付歓迎
「カンストラクション」

昨年の国際コンペで最優秀賞を受賞した「飢餓を終わらせるアトラス」Photo courtesy : Canstruction New York @canstructionny

未開封の食品缶詰を使用したアート展「カンストラクション(CANstruction)」が、11月3日(木)から14日(月)まで、ローワー・マンハッタンのブルックフィールド・プレイスで開催される。

1992年に設立されて以来、世界150以上の地域で行われている恒例のイベントで今年30周年を迎える。使用された缶詰は展示後、地元の飢餓サポート活動を行う慈善団体に寄付。また、毎年「国際カンストラクション・コンペティション大会」が行われ、「審査員のお気に入り」「ベスト・ミール」「ベスト・ラベル」など、さまざまな賞を授与。会期中は「入場料」として「腐りにくい食品の寄付」を受け付けるという、世界で最もユニークな食品関連のチャリティ・イベントだ。



ニューヨークで「カンストラクション」は1993年から行われており、昨年は16体の缶詰彫刻「カンスカルプチャー(CANsculptures)」が展示された。恒例の国際コンペ大会で最優秀賞6組の中に、ニューヨークの「LERAコンサルティング・エンジニアーズ(LERA Consulting Engineers)」(以下LERA)が制作した「飢餓を終わらせるアトラス(Ending Hunger ATLAS)」=写真=が選出。ギリシャ神話の有名な巨大神「アトラス」を模した作品で、オリンポスの神々との戦いに敗れ、罰として天を支えることを命じられたアトラスを、3200缶を使用して制作。審査員から「力と相違工夫が感じられる驚くべき偉業!」と絶賛された。ちなみにLERAは、2017年にも最優秀賞を受賞している。

これまでニューヨークで使用された缶詰はすべて、慈善団体「シティ・ハーベスト」へ贈られていて、2014年には390万食相当、470万ポンドを超える食料が寄付されている。

「シティ・ハーベスト」は、ニューヨーク市で30年以上に渡り恵まれない人に食事を届け、毎年200万人におよぶ飢餓に直面するニューヨーカーを養っている。

CANstruction
■11月3日(木)〜14日(月)
■会場:Brookfield Place:
 230 Vesey St.
■観覧無料(腐りにくい食品の寄付歓迎)
www.CanstructionNY.org
www.canstruction.org


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