2022年10月28日号 Vol.433

頻発する地下鉄での無差別突き落とし事件
ホークル知事「1日あたり1200人の警官増員」を発表
領事館も注意喚起メール配信

グランド・セントラル・ターミナル駅で行われた記者会見でホークル州知事(中央)とアダムズNY市長(右端)(Photo by Don Pollard/Office of Governor Hochul)

頻発するニューヨーク市内地下鉄での無差別突き落とし事件を受けて10月22日、ホークルNY州知事とアダムズNY市長がグランド・セントラル・ターミナル駅で記者会見を開催。地下鉄構内の警察官を1日あたり約1200人増員すると発表した。

ピーク時には、300を超える駅と車両内をパトロール。MTA(NY州都市交通局)では9月、地下鉄の全車両内に防犯カメラを設置すると発表しており、犯罪抑制と取り締まり強化を目指す。

ホークル知事は会見で、「知事としての最優先事項は、路上、自宅、学校、地下鉄でのニューヨーカーの安全を守ること。市長やNYPD(NY市警)と協力して乗客の懸念を減らし、地下鉄全体がより安全に感じられるようなセキュリティを提供する」と強調。警察官の増員や防犯カメラの設置により安全戦略を拡大すると同時に、ホームレスへのサポートにも力を注ぐ。

2022年、これまでに起きた地下鉄での殺人事件は9件。ニューヨークの地下鉄は、電力を供給するレールが線路に設置された「サードレール(Third rail)」方式で、落下し接触することで感電死する事故も発生している。



地下鉄での突き落とし事件を受け、在ニューヨーク日本国総領事館が10月24日、在留邦人に向け注意を促すEメールを配信した。

以下、配信メールから抜粋した関連事件の概要と安全対策。

■事件概要
●10月15日(土)午前11時50分頃、East 149th Street and South Boulevard駅(6番線、ブロンクス区)、被害男性(26歳)が男に無差別に線路へ突き落とされ負傷、犯人は逮捕。
●10月17日(月)午後4時45分頃、Jackson Heights-Roosevelt Avs駅(E/F/M/R線、クイーンズ区)、被害男性(48歳)が男と口論の末、ホームへ入ってきた電車に向かって突き飛ばされ死亡、犯人は逮捕。
●10月21日(金)午後2時40分ころ、Myrtle-Wyckoff Avs駅(L線、ブルックリンとクイーンズ区の区境)、被害男性(32歳)が男に無差別に線路へ突き落とされ負傷、犯人は逃走中。

■安全対策
①駅のホームでは、イヤホンを外し、携帯電話に集中しない。また、時間つぶしに携帯電話を操作したりしない。必要な連絡をする場合は、常に背後の安全を意識する。
②駅職員の有無を確認し、職員の近くで電車を待つ。
③利用客の様子など周囲の状況に十分注意を払い、挙動不審な行動をする者がいたら直ぐに場所を移動する。
④電車を待つ間、ホームの壁などを背にして立つ。

・参考:地下鉄などに関する安全対策
https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/j5/050-subway.html


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