2018年10月19日号 Vol.336

注目コンサート目白押し
日本からBCJ来米
11月のカーネギーホール

カーネギーホール
(left) Photo by Jennifer Taylor (right)ヴァレリー・ゲルギエフ Photo © Alexandra Shapunov

カーネギーホール (left) ヤニック・ネゼ=セガン Photo by Steve J. Sherman (center)Photo by Jennifer Taylor (left)ジョイス・ディ・ドナート Photo © Simon Pauly

カーネギーホール
(left) Photo © Koichi Miura (left)鈴木雅明 Photo© Marco Borggreve


11月のカーネギーホールは注目のコンサートが目白押しだ。
まず10月31日(水)・11月1日(木)には、ロシアで最も歴史が古い管弦楽団、マリインスキー劇場管弦楽団(マリインスキー・オーケストラ)が登場する。
1988年に指揮者ヴァレリー・ゲルギエフが同楽団の本拠地マリインスキー劇場の芸術監督に就任して以来、アンサンブルとしての質が飛躍的に向上し、現在では世界中から引く手あまたのオーケストラとなっている。なお、同楽団におけるゲルギエフの現在の肩書きは、劇場の総責任者である「総裁」。
10月31日はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」(全曲)、11月1日はブラームスのピアノ協奏曲第2番(ソリストはネルソン・フレイレ)と、リヒャルト・シュトラウスの最後の交響詩となった「英雄の生涯」を演奏する。

11月9日(金)は、同じくロシア出身の中堅ピアニスト、デニス・マツーエフのリサイタルが行われる。
マツーエフはモスクワ音楽院でセルゲイ・ドレンスキーに師事し、1998年に行われた第11回チャイコフスキー音楽コンクールで優勝。以来、ロマン派音楽を中心にしたレパートリーで活動している。
今回も彼の得意な楽曲のベートーベンのソナタ作品2第3番、ラフマニノフの「コレルリの主題による変奏曲」、ショパンのバラード第4番、チャイコフスキーの「瞑想曲」、プロコフィエフのソナタ第7番が演奏される。

11月13日(火)は、フィラデルフィア管弦楽団のコンサート。指揮は同楽団の音楽監督、かつメトロポリタン歌劇場の音楽監督、他にも世界中の主要オーケストラから客演指揮者としてひっぱりだこのヤニック・ネゼ=セガン。そして、メゾソプラノのスーパースター、ジョイス・ディ・ドナートがゲスト出演。
プログラムは、ワーグナーの「ローエングリン」序曲、アメリカ人作曲家のメイソン・ベイツの「Anthology of Fantastic Zoology」(ニューヨーク初演)、ショーソンの「愛と海の詩」(メゾソプラノにジョイス・ディ・ドナート)、そしてレスピーギの代表作の「ローマの噴水」。

11月最終日の30日(金)には、日本からバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)がやってくる。
1990年にチェンバロ・オルガン奏者の鈴木雅明によって設立されたアンサンブルで、古楽器によるバロック音楽演奏を精力的に行なっている。ニューヨークでもこれまで数多くの公演を行ってきたが、聴衆だけでなく批評家からの評価も高い。
今回はバッハの管弦楽組曲第2番、テレマンの「6つの組曲からなる新四重奏曲集」から四重奏曲第1番ニ長調、マルチェロのオーボエ協奏曲ニ短調、ヘンデルのモテット「風よ静まれ」などが演奏される。
指揮とハープシコードは鈴木雅明、ソプラノにジョアン・ラン。(木川貴幸)

Mariinsky Orchestra
■10月31日(水)・11月1日(木)8:00pm
■ホール:Stern Auditorium / Perelman Stage
■$25.50〜

Denis Matsuev
■11月9日(金)8:00pm
■ホール:Stern Auditorium / Perelman Stage
■$19〜

The Philadelphia Orchestra
■11月13日(火)8:00pm
■ホール:Stern Auditorium / Perelman Stage
■$22〜

Bach Collegium Japan
■11月30日(金)7:30pm
■ホール:Zankel Hall
■$76〜

■会場:Carnegie Hall
 881 Seventh Ave.
■212-247-7800
www.carnegiehall.org


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