2020年10月16日号 Vol.384

音楽、歴史、文化、ダンスを融合
墓地内を散策しながらアメリカを知る
「アメリカへ」


Photo Tagger Yancey IV / NYC & Company

ブルックリンのグリーンウッド墓地で10月22日(木)から24日(土)の3日間、「アメリカへ(To America)」と題された体験型イベントが開催。黒人賛歌として広く親しまれている「Lift Every Voice and Sing」をテーマに、音楽、歴史、文化、ダンスなどを融合させたイベントだ。

急激な都市化が進むニューヨーク市で1838年、郊外の墓地として設立されたグリーンウッド墓地。ゴシック・リバイバル様式で設計された門=写真=を筆頭に、クラシック、エジプト、ロマネスクなど、様々な様式のモニュメントや霊廟がある。なだらかな丘、谷、池、礼拝堂など、その美しい景観は、ブルックリンの観光名所でもある。2006年、国定歴史建造物に指定された。

 「Lift Every Voice and Sing」は、ハーレムを中心とした文化運動「ハーレム・ルネサンス」を象徴する人物、ジェイムズ・ウェルドン・ジョンソンが書いた同名ポエムに、1899年、彼の弟ジョンが作曲して誕生。1900年、リンカーン生誕を祝い、フロリダ州ジャクソンビルで行われた式典で、学童合唱団500人によって歌われたのが初の「パブリック・デビュー」だとされる。黒人の解放と内なる叫びを歌った内容は「黒人国家(Black National Anthem)」と評される。

当日のイベントは約2時間半。墓地内を約2・5マイル歩きながら行われるため「動きやすい履き物と懐中電灯持参」を奨励。参加条件は21歳以上、マスクを着用し、予約時間の30分前には到着すること。ジョンソン夫妻が眠るグリーンウッド墓地で、アメリカが歩んできた道と未来について、参加者に思い起こさせる。

To America
■10月22日(木)〜24日(土)
 6pmから30分毎の入場(ラストエントリー8:30pm)
■会場: The Green-Wood Cemetery
 500 25th St.、Brooklyn
■$95
www.green-wood.com/event/to-america/all



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