2022年10月14日号 Vol.432

家庭の生ゴミを堆肥に
クイーンズ区全域で開始
「カーブサイド・コンポスティング」

①庭のゴミや家庭の生ゴミを回収する「カーブサイド・コンポスティング」(左)と、市内200ヵ所以上に設置されている生ゴミ回収箱「ドロップ・オフ・コンポスティング」(右)

ニューヨーク市衛生局( New York City Department of Sanitation=DSNY)が取り組む家庭の生ゴミと庭のゴミを回収して堆肥化するプログラム「カーブサイド・コンポスティング」が10月3日から、クイーンズ区全域でスタートした。



専用の茶色いゴミ箱=写真①左=で集められた廃棄物を、週に1度回収し堆肥として再利用する試みで、すでにマンハッタンやブルックリン、ブロンクスの一部で実施。今回、クイーンズ区全域がプログラムに追加され、12月下旬まで実行。その後、積雪に対応するために3ヵ月間休止し、3月下旬に再開する予定だ。

回収するのは、庭のゴミ(刈り取った葉、落ち葉、植物、花、枝、鉢植えの土など)と、家庭の生ゴミ(野菜、果物、肉、骨、食べ残しなどの食品ゴミと、コーヒーフィルター、紙皿、紙ナプキン、ティーパックなど食品で汚れた紙類)など=下記ポスター右側参照=。

DSNYが配布するリサイクル分類ポスター

食品廃棄物を「埋め立て」で処理することで、危険なメタンガスが発生する。米国環境保護庁は、メタンガスの地球温暖化係数(Global Warming Potential=GWP)は、二酸化炭素の27〜30倍で、地球環境に多くのダメージを与えていると説明。ニューヨーク市では市民が捨てるゴミの3分の1が、落ち葉や庭のゴミ、生ゴミ、汚れた紙皿やナプキンであることから、「カーブサイド・コンポスティング」プログラムにより、埋め立てゴミを減らして堆肥に変換、クリーンで再生可能なエネルギーを作り出そうと試みる。

他にも市内200ヵ所以上に設置した生ゴミ回収箱「ドロップ・オフ・コンポスティング」=写真①右=や、学校やコミュニティ・ガーデン、公園などが行う「コミュニティ・コンポスティング」を実施。家庭で出来る「アット・ホーム・コンポスティング」では、具体的な方法なども案内している。

現状、「カーブサイド・コンポスティング」プログラムは「奨励」であり、これまで通り「一般ゴミ」として生ゴミの廃棄は可能だ。DSNYでは、「このプログラムに参加しなくても罰則はありませんが、ぜひ試して欲しい。私たちの地域を清潔にし、地球をより緑豊かにする選択です」と、市民の参加を呼びかけている。

■詳細はウェブサイトで:
https://www.makecompost.nyc


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