2022年10月14日号 Vol.432

都市開発で変貌を遂げたニューヨーク
ホッパーの視点で当時を散策
「エドワード・ホッパーのニューヨーク」

①Edward Hopper, Queensborough Bridge, 1913 © 2022 Heirs of Josephine N. Hopper/Licensed by Artists Rights Society (ARS), New York

アメリカの画家、エドワード・ホッパーが描いたニューヨークの風景画を集めた展示「エドワード・ホッパーのニューヨーク」が、10月19日(水)から2023年3月5日(日)まで、ホイットニー美術館で開催される。



1882年7月22日にニューヨーク州のナイアックで生まれたホッパー。1908年から、1967年5月15日にマンハッタンのワシントンスクエア近くにあった自身のスタジオで亡くなるまでの約60年間、ニューヨーク市を拠点に活動していた。

②Edward Hopper, Automat, 1927. © 2022 Heirs of Josephine N. Hopper/Licensed by Artists Rights Society (ARS), New York. Photograph by Rich Sanders, Des Moines, Iowa

この期間は、同市が都市開発によって変貌した歴史的な時期と一致。マンハッタンのスカイラインに高層ビルがそびえ、クイーンズ・ボロウ・ブリッジ=写真①=やマンハッタン・ブリッジが開通、イースト・リバー沿いに立ち並ぶ高層アパート群、レンガ造りの街並み、ストリートや窓から見える景色など、ホッパーは新しい街の様子を捉え続けた。

③Edward Hopper, Early Sunday Morning, 1930. © 2019 Heirs of Josephine N. Hopper / Licensed by VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York

本展は、そんなホッパーとニューヨークとの豊かで持続的な関係性に着目。彼の人生と仕事を包括しながら、当時のニューヨークを散策する。

夜のオートマット(自動販売機を利用したレストラン)でコーヒーカップをじっと見つめる女性「オートマット(1927)」=写真②=、日の出直後の7番街に立ち並ぶ中小企業や商店を描いた「アーリー・サンデー・モーニング(1930)」=写真③=、ワシントンスクエア近くで見た室内に触発された「ルーム・イン・ニューヨーク(1932)」など、この街がどのようにアーティストにインスピレーションを与えたかを紹介。あまり知られていない作品も含め、「ニューヨーク」というレンズを通したホッパーの作品群が鑑賞者に新しい街の視点を提供する。

Edward Hopper's New York
■10月19日(水)〜2023年3月5日(日)
■会場:Whitney Museum of American Art
 99 Gansevoort St.
■大人$25、学生/シニア$18、18歳以下無料
 ※入場料任意:金曜7〜10pm(要予約)
https://whitney.org


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