2019年10月4日号 Vol.359

カーネギーの新シーズン到来
クリーブランド交響楽団で開幕
10月のカーネギーホール


Franz Welser-Möst, Cleveland Orchestra (Photo by Chris Lee)


(l to r) Yefim Bronfman (Photo by Fadi Kheir), Lynn Harrell(Photo by Andrew Stuart), Anne-Sophie Mutter (Photo by Kristian Schuller/ DG)


Valery Gergiev, Munich Philharmonic (Photo by Steve J. Sherman)


(l to r )Leonidas Kavakos (Photo by Chris Lee), Behzod Abduraimov (Photo © 2016 Richard Termine)


秋本番に入りつつある10月、ニューヨークのクラシック音楽ファン待望のカーネギーホールの新シーズンが開幕する。

毎年、超一流のオーケストラとゲストアーティストが招聘され、華やかなステージを繰り広げるオープニング・ガラ。今年度の主役を務めるのはクリーブランド交響楽団。いわゆる「アメリカ5大オーケストラ」のひとつで、名巨匠ジョージ・セルが1940年代後半から20年以上かけて徹底的に鍛えあげ、ヨーロッパの主要オーケストラにも勝るとも劣らない精度の高いアンサンブル、そして美しい音色を醸し出す管弦楽団に生まれ変わった。世界的な公演活動を行い続け、名レーベルのドイツ・グラモフォンなどに数々の名録音を残している。
今回の気になるプログラムは、オットー・ニコライの歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲、来年生誕250周年となるベートーベンの「バイオリンと管弦楽のためのロマンス第1番ト長調」と「バイオリン、チェロ、ピアノのための三重協奏曲」、そしてリヒャルト・シュトラウスの人気曲「薔薇の騎士」組曲。
ゲストアーティストはアンネ=ゾフィ・ムター(バイオリン)、リン・ハレル(チェロ)、そしてイェフィム・ブロンフマン(ピアノ)。
指揮は、同楽団音楽監督のフランツ・ウェルザー=メストが務める。
また、クリーブランド交響楽団は、同じくウェルザー=メストの指揮で、翌日4日にもカーネギーでコンサートを行う。プログラムはミュンヘン生まれのクラリネット奏者・指揮者・作曲家のヨルグ・ウィドマンがイェフィム・ブロンフマンのために書き下ろしたTrauermarsch「葬送行進曲」(ソリストにブロンフマンが再登場)、そしてマーラーの大作、「交響曲第五番」。

その他、気になるのは25日と26日に行われるミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート。このオーケストラは、フルトヴェングラー、マーラー、ワルター、チェリビダッケらの大指揮者とのゆかりが深い。
25日は、チャコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」(ソリストはベフゾド・アブドゥライモフ)と、ブルックナーの「交響曲第6番」、26日は、ヨルグ・ウィドマンの「コン・ブリオ」、ブラームスの「バイオリン協奏曲」(ソリストはレオニダス・カヴァコス)、そしてショスタコーヴィッチの交響曲第5番を演奏する。
指揮は同楽団音楽監督・首席指揮者のヴァレリー ゲルギエフ。

カーネギーの新シーズン、選りすぐりのクラシックに浸りたい。(木川貴幸)

Opening Night Gala:The Cleveland Orchestra
■10月3日(木)7:00pm
■$41.50〜

The Cleveland Orchestra
■10月4日(金)8:00pm
■$18.50〜

Munich Philharmonic
■10月25日(金)・26日(土)8:00pm
■$21〜

■会場:Carnegie Hall
Stern Auditorium / Perelman Stage
881 Seventh Ave
■212-247-7800
www.carnegiehall.org


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