2019年10月4日号 Vol.359

土方巽「肉体の叛乱」衣装再現
暗黒舞踏60周年
「ニューヨーク・ブトー・インスティテュート・フェスティバル」


Eri Chian. Photo by Wei Chi.


Melissa Lohman (Italy) in Vessel and Void. Photo by Flavio Arcangeli


暗黒舞踏(あんこくぶとう)の祭典「ニューヨーク・ブトー・インスティテュート・フェスティバル」(以下NYBIF)が、10月10日(木)から27日(日)まで、イースト・ビレッジのシアター・フォー・ニューシティで開催される。

日本の舞踊家、土方巽(ひじかた・たつみ)が指導者として始めた前衛的な舞踏は、1959年に行われた「650ダンスエクスペリエンスの会」で、「暗黒舞踏」と命名。大野一雄(おおの・ かずお)と競演しながら、次第に注目を集めていく。
海外での評価や人気は高く、日本国外では単に「Butoh=舞踏」と呼ばれ、体を使って感情を表現する、日本発の前衛芸術として認知されている。

今回のNYBIFでは、日本、アメリカ、コロンビア、ノルウェー、イタリア、ドイツ、フランスから16人のアーティストによる作品を上演。日本から、地案絵里(ちあん・えり)が「殯(なごり)」を、長内真理 (おさない・まり)が「Oblivion」をそれぞれ披露する。

ハイライトは、同フェスティバルのキュレーターを務め、ニューヨーク・ブトー・インスティテュートの創設者で舞踏家のヴァンジェリンによる「Hijikata Mon Amour」。1968年に上演された土方の「肉体の叛乱」の衣装を正確に再現。真っ赤な衣装を身につけたヴァンジェリン=表紙写真=がパフォーマンスを行うもので、暗黒舞踏60周年を記念して企画された。「この衣装は、日本のポストモダンアートの進化の記録だ」といわれている。

最終日は、短編「肉体の叛乱」上映と、衣装を再現したトッド・トーマスによる講演会が予定されている。全スケジュールはオフィシャルサイトで。

New York Butoh Institute Festival
■10月10日(木)〜27日(日)
■会場:Theater for the New City
 155 1st Ave.
■212-254-1109
■$18〜
butohfest-19.eventbrite.com


Hijikata Mon Amour
■10月24日(木)〜26日(土)8pm〜9:15pm
■一般$20、シニア/学生$18


「肉体の叛乱」上映と講演会
■10月27日(日)3pm〜5pm
■入場無料・予約不要



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