2020年10月2日号 Vol.383

第48回 米国日本人医師会(JMSA)
オンライン晩餐会開催
クリエイティブなプログラム


山中伸弥教授(左)を紹介するJMSA会長の柳澤貴裕医師

米国日本人医師会(JMSA)の第48 回年次晩餐会が9月19日、ユーチューブ上で開催された。パンデミックのため、通常の春開催が延期になり、感染拡大を防ぐためにオンラインでの秋開催となったもの。

広い会場に集まっての晩餐会は叶わなかったが、日本からのビデオ参加や、主だった寄付企業代表者の挨拶、奨学金の名称となっている先人の歴史と紹介など、オンラインだからこそできる、クリエイティブなプログラムとなった。司会はおなじみ、久下香織子FCIアナウンサーが務めた。

土曜日の夜7時、まずはJMSA会長・柳澤貴裕医師の挨拶で始まった。「異例のバーチャル晩餐会となりましたが、パンデミックの中、JMSAは医療団体としてこれまで以上に活発に活動しており、今晩はその一部をご紹介していきたいと思います」と話した。また、未曾有の混乱の中で変わらずJMSAの活動を支援している企業、団体、個人に感謝の意も表した。

続いて、バーチャル晩餐会共同チェアパーソンである加納麻紀医師と金原聡子医師、在ニューヨーク日本国総領事館の山野内勘二大使、JMSA元会長の岩原誠医師が次々に挨拶。東日本大震災以来、東北からの医療レジデント教育プログラムを担当するカマール・ラマニ医師と、日本から東北大学医学部、福島医科大学の教授らもビデオ参加した。

「JMSAオン・ザ・フロントライン」と題した発表では、医師会メンバーがパンデミック中の活動を、医師の立場からレポート。マウントサイナイ病院勤務の柳澤JMSA会長、イエール大学呼吸器科リサーチ・フェローの石川源太医師(パンデミック中はマウントサイナイ病院ICU勤務)、そしてブロンクスのモンテフィオレ病院のマイ・コーヴィン医師が、それぞれ最前線での治療体験談を話した。いずれも現場描写も生々しく、聞く者の心を打った。

そしてこの日の基調講演は、ノーベル生理学・医学賞(2012年)受賞者であり、京都大学iPS細胞研究所所長を務める山中伸弥教授。日本からの新型コロナウイルス情報発信と取り組みについて、ごく短く、簡潔に話をした。

バイオリン奏者・伊東美麗が演奏するバッハのソナタ他を聞いた後は、晩餐会も後半に突入。JMSAの奨学金を受ける医師、研究者、医学生の名前(別記)が発表された。

最後に、本間俊一コロンビア大学教授(元JMSA会長)が挨拶し、野口英世メモリアル奨学金を紹介。3回目となる今年は、樋口聖博士に授与されることを発表。樋口博士は、ニッポン・ライフJMSA奨学金に続き、2つ目の奨学金を受け取った。

JMSA奨学金受給者一覧
■本庄JMSA奨学金=バーンズ翔平(医学生、UCSF)
リン三宅エリカ(医学生、ウォレン・アルバート・メディカルスクール・オブ・ブラウン)
堤光太郎(医学生、UCアーバイン校)
■西岡JMSA奨学金=藤村沙奈(医学生、アルバート・アインスタイン大学)
林輝(医学生、ノヴァ・サウスータン大学カレッジ・オブ・オプトメトリー)
ウチェヤ志織(医学生、フィラデルフィア・カレッジ・オブ・オステオパシック・メディスン)
■三井USA・JMSA奨学金=山田麗(医学生、トーマス・ジェファーソン大学)
佐藤里栄(医学生、アルバート・アインスタイン大学)
■村瀬九郎医師JMSA奨学金=藤井健夫医師(フェロー、ノースウエル・ヘルス/コールドスプリング・ハーバーラボラトリー)
■ニッポン・ライフJMSA奨学金=安田幹医師(小児科レジデント、ハーレム病院)
樋口聖博士(研究者・コロンビア大学)
■レイモンド関口医師・JMSA奨学金=サム・ラシュコビッチ(医学生、ワイル・コーネル大学)
北田瑠璃(医学生、ニューヨーク医科大学)


HOME