2020年10月2日号 Vol.383

トランプ大統領とメラニア夫人
新型コロナウイルス陽性と発表
ペンス副大統領は陰性


9月30日、ホワイトハウスで報道陣に手を降るトランプ大統領。この後、ミネソタへ旅立った(Photo: Official White House Photo by Tia Dufour)

トランプ大統領は10月2日(金)の早朝、ツイッターで、自身とメラニア夫人がCOVID-19検査で陽性であったと発表。「隔離措置とリカバリーのプロセスを直ちに行う。私たちはこの事態を一緒に乗り越える!」とツイート。その2時間前、大統領は「私たちはテスト結果を待っている」とツイートしており、側近のホープ・ヒックス大統領顧問がCOVID-19陽性だったことを受けての検査だったことを明かしている。ヒックス氏は9月29日、オハイオ州で行われた大統領候補討論会に、翌30日にミネソタ州での選挙集会にも大統領に同行していた。



大統領がツイートした直後、メラニア夫人も自身のツイッターを更新。今後の全スケジュールの延期を発表すると同時に、国民に改めて注意「stay safe」を呼びかけた。



大統領の専属医、ショーン・パトリック・コンリー医師は「現時点で、大統領とファースト・レディは共に元気であり、リカバリーの間、ホワイトハウス内に留まることになる」と発表。また、2日の朝、マーク・ペンス副大統領はツイッターで、自身とカレン夫人は、COVID-19陰性であることを発表している。

大統領の感染発表を受け、アメリカの各メディアは「ブレーキング・ニュース」として次々に報道。「アメリカで20万7000人以上が死亡したパンデミックの深刻さを何ヵ月も軽視した上、『パンデミックの終焉が見えている』と主張してから数時間後にこの結果がもたらされた」(ニューヨーク・タイムズ紙)、「大統領はマスクを着用することはめったになく、9月29日に行われた第1回討論会では、普段の活動中、頻繁にマスクを着用するバイデン氏を嘲笑していた」(CNN)と伝えている。

また、FOXニュースによると、ホワイトハウス内の「政府存続計画チーム(Continuity of Government Operations Team)」は現在、ホワイトハウス・スタッフ間での感染拡大を防ぐために措置を講じているという。

クオモNY州知事は2日の朝、ツイッターに「トランプ大統領とファースト・レディが、迅速に回復することを願っている」と書き込むと同時に、「このウイルスは悪質で容易に拡散する。マスクを着用し、互いに気をつけよう」と、改めて注意を呼びかけた。



COVID-19感染ガイドラインではウイルス陽性の場合、14日間の隔離措置が取られる。今後の選挙活動への影響は避けられなく、10月15日に予定しているバイデン氏との「第2回討論会」に、トランプ大統領が参加できるかどうかも不透明となった。

追記(10月2日午後7時時点)

ホワイトハウスは10月2日午後、トランプ大統領が数日間入院することを発表。声明文によれば「大統領の症状は軽く、職務を続けている」とした上で、「医師の勧めもあり、大事をとっての措置」だとしている。同日午後6時15分過ぎ(東部時間)、大統領はホワイトハウスをヘリコプターで出発。ワシントン郊外の米軍医療施設「ウォルター・リード・ナショナル・ミリタリー・メディカルセンター」に到着した。


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