2022年9月30日号 Vol.431

壁画で変える未来
SDGs実践を
コブラ「地球のために」

Eduardo Kobra‘for the planet’ (Photo by KC of Yomitime)

ブラジルのサンパウロを拠点に活動するストリート・アーティスト、エドゥアルド・コブラが描いた壁画「地球のために(for the planet)」=表紙写真=が9月16日(金)、国際連合本部に登場した。

第77回国連総会の開催にあわせて描かれた壁画は約350平方メートル。ブラジル独立200周年記念の一環で、国連が敷地内の外壁に芸術的な介入を許可したのはこれが初となった。



壁画は、父親が娘に地球を手渡す構図。「再生資源」を表す3つの矢印が地球を包み込み、自然環境に大きな影響を与える世界最大の熱帯雨林・アマゾンを有する南米がその中心に描かれている。

「国連が取り組む問題の中でも、特に持続可能な開発目標(SDGs)は、私がこれまでのキャリアを通して取り組んできたテーマと同じ。今回の壁画では、父親が娘に地球を譲る未来、次の世代にどのような惑星を届けたいかを考えて欲しかった」とコブラ。

地球の「世話をする」のは、政治家や活動家だけではなく、我々のような「普通の人」であることを強調する。

壁画製作中のコブラ(Photo courtesy : facebook.com/kobrastreetart)

すでにニューヨーク市内で20点以上の壁画を手がけてきたコブラ。

「4年前、ニューヨークで国連本部前を通りかかった時、ここに壁画を描くことができればどんなに素晴らしいだろう、と想像したと同時に、『それは無理だろ』と自らを笑った。時が経ち今回、壁画の依頼を受け、改めて忍耐、信仰、誠実さは、必ず報われると実感した。夢は決して死なない。もう一度、夢を見よう」

未来は、すでに「今」始まっており、我々全員がその責任を負っていることを改めて認識して欲しいと訴えている。

Eduardo Kobra‘for the planet’
■12月まで展示予定
■会場: United Nations Headquarters
 in New York
 405 E. 42nd St.
https://www.un.org/en
https://www.eduardokobra.com


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