2022年9月30日号 Vol.431

デジタルアートとは一味違う
手描きの二次元絵画体験
「ワンダーランド・ドリームズ」

Photo by Mike Moanghan, Courtesy of Wonderland Dreams

ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」に着想を得た没入型アート「ワンダーランド・ドリームズ」が10月7日(金)、ミッドタウンに登場する。

昨年行われたデジタルアートのゴッホ展や、現在開催中のクリムト展のように、映像を投影する「プロジェクション・マッピング」ではなく、会場内の壁や床に、絵を手描きしたもの。キャンバスを飛び出し、部屋の隅々まで描かれた二次元の絵が、ユニークな多次元的空間を生み出している。



手がけたのは、アメリカ人アーティストのアレクサ・ミード。人物に直接、色を塗り重ねることで、平面的な絵画のように見せる作風で知られる。次々と新しいデジタル技術が生まれる中、あえてアナログな手描きで「平面」にこだわったミードの手法は、新鮮であり斬新だ。

Photo by Mike Moanghan, Courtesy of Wonderland Dreams

「ワンダーランド・ドリームズ」では、テーマが異なる20の部屋が用意されている。大きなトランプ、秘密のバラ園、マッド・ティー・パーティーなど、不思議の国を散策する。魔法の花が咲く野原で木馬に乗り、輝くランタンの光を浴び、玉座に座ってハートの女王になる…ゲストは絵の主題とリンクすることで、現実から抜け出していく。

「鑑賞者としてではなく、参加者として芸術と向き合うことに、真の力があります」とミード。
「ワンダーランド・ドリームズ」は、これまでのデジタルアート展とは趣きが異なるアート体験だ。

Wonderland Dreams
■10月7日(金)〜2023年4月
※火曜休
■会場:529 5th Ave.
■$36〜
https://wonderlanddreams.com


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