2020年9月18日号 Vol.382



Tenet
テネット(映画)


2億ドルを超える製作費をつぎ込んだ今年の超大作。御多分に漏れず公開延期が続いたが郊外ではチラホラ映画館も再開しており、今後は本来のハリウッド映画が徐々に公開される見通しだ。時間の逆行がカギとなるSFスパイ物語。「インセプション」(2010年)同様、視覚的に斬新なアイディアを取り入れたスリリングな展開。ウクライナで起きたテロ事件を機に特殊部隊の隊員が第三次大戦を阻止するために未来から襲来する敵と戦う。その戦法に使われるのが時間の概念を超え、人や動物が過去にワープできる装置。

●監督:クリストファー・ノーラン
●出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デベッキ他
●公開日:9月3日
●2時間半/PG-13


Unhinged
アンヒンジド(映画)


ロードレイジがエスカレートするサスペンスホラー。オスカー俳優のラッセル・クロウにしては風変わりな役柄だ。最近離婚したばかりのレイチェルはいつものように息子を学校に送っていく途中で交通渋滞に巻き込まれた。前の車が信号が青だったにもかかわらず進まなかったことでちょっとイラだちクラクションを鳴らした。しかし相手が悪かった。前を走っていたのは精神的に不安定で、なんと数時間前に殺人を犯してきたばかりの男だった。クロウ主演でなければストレートビデオのB級作品みたいだがそこは知名度がものを言い、新作に飢えた映画ファンがスクリーンに足を運んでいる。

●監督:デリック・ボルテ
●出演:ラッセル・クロウ、カレン・ピストリアス、ガブリエル・ベイトマン他
●公開日:8月21日
●1時間33分/R


The Devil All the Time
ザ・デビル・オール・ザ・タイム(映画)


ドナルド・レイ・ポロックの同名小説の映画化。第二次大戦後からベトナム戦争に至るまでの時期にオハイオ州南部とウエストバージニアを舞台に繰り広げられる狂気の世界。連続殺人にスリルと興奮を感じる夫婦、欺瞞に満ちた牧師、汚職保安官ら、それぞれ秘密を抱えた人間たちが生み出す奇妙な出来事。それらはやがてうねりながら一本の道を作り出す。戦争で心を病んだウィラードは妻の命を救うために動物をいけにえに捧げる行動に出る。そのために息子アーヴィンは学友や村の人から冷たい視線を投げかけられる。

●監督:アントニオ・カンポス
●出演:トム・ホランド、ロバート・パティンソン、ビル・スカルスガルド他
●公開日:9月16日
●2時間18分


The Third Day
ザ・サード・デイ(ミニ・シリーズ 全6話)


物語は「サマー」と「ウインター」の3話ずつで構成、途中にスペシャルとして「オータム」が挿入される。男性と女性が異なる時期に同じ島を訪れ、ミステリアスな出来事に遭遇するスーパーナチュラル・ホラーだ。「サマー」ではサムという男性がイギリス沿岸のある島を訪れる。島民は親切で温かみのある人々でサムは初夏のすがすがしさを満喫するのだが、しばらくすると島民たちは代々引き継がれた伝統を守るためならどんな手段も択ばない狂信的な面を見せ始める。

●クリエーター:デニス・ケリー
●出演:ジュード・ロウ、ナオミ・ハリス、エミリー・ワトソン他
●公開日:9月14日


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