2018年9月7日号 Vol.333

村上美穂・洋画展
「上昇する林檎たち」

村上美穂
「心模様」(2017年)


神戸在住の洋画家・村上美穂の個展「上昇する林檎たち」が、9月13日(木)から19日(水)まで、日本クラブ内日本ギャラリーで開催される。林檎(りんご)をモチーフに、鮮やかな「赤」の世界を描いた作品約40点が展示される。
村上は、1995年阪神・淡路大震災を体験。それをきっかけに、人間の「心」を林檎に投影した作品を描くようになった。「林檎の世界」を過剰なまでに追い続ける。「自分の心の中を表現する上で、自分自身という人間を描くよりも、誰もが知っている一般的なもので描いた方がよりストレートに理解されるのではと思い、世界中どこでもいつでも手に入り、自然の物で、丸く、情熱的な赤い林檎で、心、魂、愛を描き続けています」と話す。
鮮烈な「赤」は元気になれる色、活力、躍動感を象徴する色だと村上は言う。また、血液や炎のイメージから、愛情、情熱を連想させる。
作品の構図では、遠近法を無視し、同じ大きさの球体を重ね描くことで、それが次々と増幅し、溢れ、回転しながら上昇していく感覚を見る者に与える。
写実と抽象が混在した作品には、浮世絵へのオマージュも込められている。
村上は、10歳から油彩の初歩を学び、美大卒業後は既存の画派に属することなく独自の活動を展開。ヨーロッパ、特にフランスで多く個展を開催、展示会にも参加している。

■9月13日(木)〜19日(水)(日休)
■会場:日本ギャラリー(日本クラブ7階)
 145 W. 57th St.
■問合せ:TEL: 212-581-2223
 info@nipponclub.org
■入場無料
www.nipponclub.org


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