2018年9月7日号 Vol.333

小春&NORIT・二人展
「ローズ&フェイク」

小春
小春「111番館 (Rose) 」

NORIT
NORIT「笛吹童子(The Fifer)」


版画家・小春と、夫の水彩画家・西丸式人(NORIT)による二人展「ローズ&フェイク」が、ソーホーのギャラリーで9月5日(水)から始まり、15日(土)まで開催されている。
小春は「薔薇の作家」として知られる。50歳で本格的な創作活動を開始し、ニューヨークと上海を拠点に版画作品を制作してきた。薬品を使わずに版を作る「シルク・アクアチント」など、地球や体にもやさしい「エコ」な技法を取り入れている。小春によって生命を吹き込まれた薔薇は、ニューヨークや上海でも注目を集め、2010年万博「上海国際科学と芸術展」に招待された。今回の作品は、モノプリント、カラーペーパーなど。
今回の展示「ローズ&フェイク」の「ローズ」が小春の作品。2001年同時多発テロ当時の作品は、長い間封印してきたが、昨年メーン州の工房で作品を手掛けた際、封印していた作品を新たな形で進化させることができたという。「今回展示する作品で、私の心の変遷を見てもらえると思う」と話す。
一方、NORITは、「フェイク」について以下のように説明する。
「名画の魅力はその作品の前に人を惹きつけ、立ち止まらせ、互いに共鳴し合い、会話を弾ませるものだと言う。この語りかけるモノと呼び覚まされるモノを、もっと親しみやすく日常に持ち込んで、『お茶の間にルーブルを!』をキャッチフレーズに、名画の謎に近づこうと、真摯に迫り製作したもので、パロディーではなく長時間観ても飽きない愛らしい作品を心掛けてみました。感じていただければ幸せです」。

■9月5日(水)〜15日(土)
■会場:Gallery Max New York
 552 Broadway #401
 Bet. Prince & Spring Sts.
■入場無料
gallerymaxny.com


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