2019年9月6日号 Vol.357

野口英世博士の記念式典
メキシコでの黄熱病ワクチン研究百年


野口英世博士の銅像前で(左から)高瀬 駐メキシコ日本国大使、ヒメニス ユカタン自治大学野口英世地域研究センター所長、本間ニューヨーク野口英世記念会代表、横倉日本医師会長、加納ニューヨーク野口英世記念会副代表


今年は野口英世博士が黄熱病の研究にメキシコへ渡り百周年になる。それを記念し、メキシコのメキシコ市とメリダ市で8月9日から12日まで、記念式典と関連イベントが開催された。
在メキシコ日本国大使館からは高瀬寧(やすし)特命全権大使が参加したほか、日本からも日本医師会の横倉義武会長、日本医療政策機構の黒川清代表理事などが出席。ニューヨーク野口英世記念会からは、本間俊一代表と加納良雄副代表が参加。福島県猪苗代の野口英世記念会と、ニューヨークのロックフェラー大学、ウッドローン墓地を代表する立場での参加だった。
12日、メリダ市のユカタン自治大学で行われた式典で、本間代表が「野口英世博士が後世に残した偉大な功績と教訓」と題する基調講演を行い、集まった500人超の聴衆が耳を傾けた。
野口英世博士は1919〜20年、ニューヨーク市のロックフェラー医科大学(現ロックフェラー大学)からメリダ市のユカタン大学(現ユカタン自治大学)に派遣された。メキシコのユカタン州からの要請を受けたものだった。
そこで博士は、当時メキシコで蔓延していた黄熱病患者を救済するためのワクチン開発研究に携わった。そのためユカタン州の人々は、野口博士を命の恩人として尊敬し、ユカタン自治大学の構内に「野口英世地域研究センター」を設立した。ここではその後も様々な医学研究が続けられるとともに、野口博士の功績と遺徳を後世につなぐ活動が行われている。


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