2019年9月6日号 Vol.357

演目1000以上!
ジャンルを越えた芸術祭
「フィラデルフィア・フリンジ・フェスティバル」


The Illustrious Blacks (Photo by Fabian Gomez)


Superterranean, Isaac Calvin (orange suit), Saori Tsukuda Saori (orange suit), Evelyn Chen, Dito Van Reigersberg, Melissa Krodman (photo credit Jauhien Sasnou / Picturebox Creative)


BalletX (Photo by Chris Kendig)


世界各地で行われている芸術祭「フリンジ・フェスティバル」。演劇、ダンス、音楽など、エントリーするための審査はなく、基本的には誰でも参加可能。そのため、演目のクオリティーには「バラツキがある」といわれている。その一方で、実験的な作品などが自由に公開できるため、意外な「掘り出し物」があると注目度は高い。個人参加が容易なことから、同フェスティバルをきっかけに花開くコメディアンや俳優なども少なくない。
フィラデルフィアで毎年9月に行われる「フィラデルフィア・フリンジ・フェスティバル」は、今年で23回目。主催は、フィラデルフィアでアート活動を支援する団体「フリンジアーツ(FringeArts)」で、9月5日(木)から22日(日)まで、市内およそ100の会場で1000を超えるイベントが行われる。ここでは、そのいくつかを紹介しよう。

「キックオフ・パーティー」には、アフロ・フューチャリストのデュオ「ザ・イラストリアス・ブラックス(The Illustrious Blacks)」が来場。それぞれ、別の惑星の王として君臨していたという2人が地球で活動中。奇抜なファションで、ディスコティックなファンク、宇宙のポップスで開幕を祝う。入場無料・要予約。

フィラデルフィアを拠点に活動する「ピッグ・アイアン・シアター・カンパニー」と、トニー賞でミュージカル装置デザイン賞を受賞したセットデザイナーのミミ・リエンによる新作「スーパーテラニアン(Superterranean)」=表紙写真=。ある都市の周辺に巨大な構造物が出現。製油所、ダム、廃水処理プラントなどのインフラは、都市が機能するための「鼓動」だ。人間の身体と協調する都市のインフラを題材に、9人のパフォーマーがユートピアへの夢を描く。
また、「スーパーテラニアン」関連のパブリックアート「セクション、ボイド(Section, Void)」が別会場で公開される。

フィラデルフィアを代表するコンテンポラリー・バレエ団「バレエX」は2005年に設立。「アメリカでベスト=NYタイムズ紙」、「創造の中心=ダンスマガジン」、「革新的な振付けを生む場=ニューヨーカー誌」など、その評価は高い。
今回は9月20日午後6時から、ハース・ビアガーデンで無料パフォーマンスを行う。

その他、今年の参加アーティスト関連の書物を扱う「フリンジ・フェスティバル・ブックストア」や、キャバレーシリーズ「レイト・ナイト・スナック」、サーカス、バーレスクショーなどプログラムは多種多様。ジャンルを越えた芸術のショーケースだ。

Philadelphia Fringe Festival
■9月5日(木)〜22日(日)
■会場:フィラデルフィア市内各所
 ※演目により異なる
■Tel: 215-413-1318
FringeArts.com

★Fringe Festival Kickoff Party
■9月6日(金)10:30pm
■会場:FringeArts Haas Biergarten
 140 N Columbus Blvd., Philadelphia, PA
■無料・要予約

★Superterranean(世界初演)
■9月5日(木)〜15日(日)
■会場:2300 Arena
 2300 S Swanson St., Philadelphia, PA
■一般$39〜、学生$15

★Section, Void
■9月5日(木)〜22日(日)
■会場:Cherry Street Pier
 121 N. Columbus Blvd., Philadelphia, PA
■観覧無料

★BalletX Pop-Up
■9月20日(金)6:00pm
■会場:FringeArts Haas Biergarten
 140 N Columbus Blvd., Philadelphia, PA
■観覧無料



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