2019年9月6日号 Vol.357

古代ギリシャ悲劇を「日本文化」で再考
SPAC+宮城聰「アンティゴネ」


Antigone directed by Satoshi Miyagi at Festival d'Avignon. Photo: © Christophe Raynaud de Lage.


演出家・宮城聰(みやぎ・さとし)氏と、公立劇団「SPACー静岡県舞台芸術センター」による舞台「アンティゴネ」が9月25日(水)から10月6日(日)まで、パークアベニュー・アーモリーで上演される。全11公演。日本文化を海外に向けて発信する「ジャパン 2019」の公式企画。
同作は2017 年、南フランスのアヴィニョンで行われている「アヴィニョン演劇祭」のオープニング作品として上演。古代ギリシア三大悲劇詩人の一人、ソポクレスの同名悲劇を、宮城氏が「日本文化」というプリズムを通して大胆に再考した作品。
舞台に水を張り、背景に俳優の影を映し出す仕掛けなど、舞台美術は創意に富む。アンティゴネの「人を敵・味方に区別しない」という思想に、日本人の死生観を重ねた荘厳な舞台。

▼あらすじ
舞台は古代ギリシャ・テーバイ。先の王オイディプスは己の出生の秘密を知り、自らを国から追放。その妻であり母でもあるイオカステは自殺。残された二人の息子ポリュネイケスとエテオクレスは王位を競って争い、ポリュネイケスはアルゴスに追放される。
やがてポリュネイケスはアルゴス勢を率いてテーバイに攻め入り、エテオクレスとの一騎打ちとなるが、オイディプスの呪いを受けた兄弟は相討ちとなり共に果てる。王位はイオカステの兄クレオンのものとなった。クレオンは国を守ったエテオクレスを手厚く葬り、反逆者ポリュネイケスの死骸を野に晒して野鳥の餌にすることを命じ、これに反した者を死罪に処すことを決める。だが、オイディプス王の娘アンティゴネは王令に従わず、いさめる妹イスメネにも抗して、兄ポリュネイケスに埋葬の礼を施すことを決意する。

Antigone
■9月25日(水)〜10月6日(日)
■会場:Park Avenue Armory
 Wade Thompson Drill Hall
 643 Park Avenue
■$35〜
armoryonpark.org



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