2020年9月4日号 Vol.381

故人を偲び「飯塚国雄 追悼展」
反戦・反核訴え半世紀


飯塚氏の所蔵書について談笑する励生さん(左)と山野内総領事・大使

1960年代からニューヨークのアートシーンで活躍してきた美術家の飯塚国雄(いいづか・くにお)氏が7月14日、市内の病院で死去。故人の画業を讃え日系人会で8月24日(月)、「飯塚国雄追悼展」が開催された。

当日は新型コロナウイルス感染予防ガイドラインに従い完全予約制を導入し、一度の収容人数を制限。多くの知人や友人、芸術家仲間らが訪れ、故人を偲んだ。

飯塚さんは、半世紀以上にわたって反戦・反核のメッセージを絵画で発信。一方で彫刻・版画などで独自の表現世界を創出してきた。またNY日系人会の会員として、年次美術展にレギュラー出品、月例敬老会でのカラオケ・パフォーマンスなど、幅広い活動で日系コミュニティの親睦・振興、さらには日米文化交流に尽力した。

追悼展には、現在日本在住で息子の励生(れお)さんが来米。また音楽や芸術に造詣が深い在NY日本国総領事館の山野内勘二総領事・大使も来場した。

会場に飾られた作品群は、励生さんがシリーズごとに選定し、自ら展示したもの。励生さんは、「今回の追悼展では、父が今まで準備していたことを私が代わりに行ったのですが、父の画業に触れることが出来た気がします」と話すと共に、来場者へ感謝の意を伝えた。


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