2021年9月3日号 Vol.405

人々を笑顔にする牛78頭
市内8ヵ所で放牧中!
「カウパレードNYC 2021」

Peter Paid作「Beau」@Industry City (Brooklyn). Photo by KC of Yomitime

世界規模で行われているパブリックアート「カウパレード(CowParade)」が、ニューヨーク市内で8月18日(水)から始まり、9月30日(木)まで開催中だ。

グラスファイバーで作られた牛の彫刻にペイントし、公共スペースに「放牧」するというイベントで、1998年にスイスのチューリッヒでスタート。同企画に感銘を受けたシカゴのビジネスマン、ピーター・ハニグ氏が1999年、アメリカのシカゴで「カウパレード」として開催。以来、世界80ヵ所以上で行われてきた。



放牧された牛はオークションで販売、収益は非営利団体に寄付され、これまでに5000頭以上の牛が誕生し3000万ドル以上を調達したという。ちなみに、これまでの最高落札金額は14万6000ドルで、デザイナーのジョン・ロシャによる「Wage Moo」(2003年・ダブリンで展示)だった。

Peter Tunney作「Courage and Honor」@Industry City (Brooklyn). Photo by KC of Yomitime

ニューヨークでの初開催は2000年で、今回2度目。前回は約500頭の牛が3ヵ月に渡って展示され、およそ4 万5000人が鑑賞。オークション収益135万ドルが6つの慈善団体へ渡された。

今年の「カウパレード」は、市内8ヵ所に78頭が放牧。これまでは一般公募で参加者を募っていたが、今回はコロナ禍の影響で委員会が個人・団体を選出して依頼した。アーティストのセイ・アダムスやレディ・ピンク、俳優のニール・パトリック・ハリス、ファッション工科大学(FIT)、ミュージカル「ムーランルージュ!」、パレードでお馴染みのメーシーズなどが参加。ユニークでクオリティの高い牛たちが誕生した。

Logan Hicks作「Head in the Clouds」@Industry City (Brooklyn). Photo by KC of Yomitime

ところで、なぜ「牛」なのか?  「牛は世界中で愛されている動物。神聖であったり、歴史的であったりと、地域や習慣により異なるものの、共通するものは牛への『愛情』。世界を超越するような魔法の力を持ち、人々を笑顔にしている」と説明されている。

CowParade NYC 2021
■9月30日(木)まで
■放牧場所:市内8ヵ所
・Hudson Yards (Manhattan)
・ Macy's @ 34th St. (Manhattan)
・Bloomingdale's @ 59th St. (Manhattan)
・Industry City (Brooklyn)
・New York Hall of Science (Queens)
・Bronx Community College (Bronx)
・National Lighthouse Museum (Staten Island)
・Boardwalk @ Beach 108th St. (The Rockaways)
http://www.cowparade.com


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