2018年8月24日号 Vol.332

草間アートに一目惚れ
ドキュメンタリー「クサマ:インフィニティ」

クサマ:インフィニティ
レンズ監督(左)と草間。Kusama - Infinity directed by Heather Lenz. © Tokyo Lee Productions, Inc. Courtesy of Magnolia Pictures.

クサマ:インフィニティ
Artist Yayoi Kusama in the Orez Gallery in the Hague, Netherlands (1965) in Kusama - Infinity, directed by Heather Lenz. Photo credit: Harrie Verstappen. Courtesy of Magnolia Pictures


世界でもトップクラスのアーティスト、草間彌生(くさま・やよい)を追ったドキュメンタリー映画「クサマ:インフィニティ」が9月7日(金)から、ウエストビレッジの「フィルム・フォーラム」で上映される。ヘザー・レンズ監督=写真左=初の長編ドキュメンタリーだ。

ケント州立大学でファインアートと美術史課程を終了し、南カリフォルニア大学でシネマティック・アーツのMFAを取得したレンズ。草間に興味を持ったのは、そんなアートを学んでいた90年代初めで、草間の作品に「一目惚れした」という。同時にレンズは、「草間は偉大なアーティストであるにもかかわらず、アメリカ美術界への貢献が見過ごされている」と強く感じたという。レンズはその後、アクロン・アート美術館でインターンシップをした際、収蔵されていた草間の作品を間近で観賞。その人生についてもリサーチしたところ、草間が精神的な病に悩まされていることを知る。草間が「華麗な芸術家」というだけではなく、複雑な背景があることに気が付いたレンズは、2000年代の初め、草間の映画を作ろうと脚本を書き始めた。
当初、アート関係者以外で「草間彌生」を知っている人物はほとんどおらず、またレンズ自身も、草間がここまで有名になるとは予想していなかったそうだ。
「鑑賞者へ、インスピレーションを与えたい」とコメントするレンズ監督。「この映画は、成功を夢見ながら、社会に蔓延する差別主義を克服し、幼少時の抑圧された社会から解放された女性の物語」と述べている。

KUSAMA – INFINITY
■9月7日(金)〜18日(火)
 ※上映期間延長もあり
■会場:Film Forum
 209 W. Houston St.
 Tel: 212-727-8110
■一般$15、メンバー$9
filmforum.org


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