2021年8月20日号 Vol.404

全米5都市を巡回
NYはブルックリン美術館で
「オバマ・ポートレート・ツアー」

Kehinde Wiley, Barack Obama, 2018 © 2018 Kehinde Wiley (Photos: Courtesy of the National Portrait Gallery)

第44代アメリカ合衆国大統領のバラク・オバマ氏と、ミシェル・オバマ夫人の肖像画が全米5都市を巡回する「オバマ・ポートレート・ツアー」が開催。6月18日、シカゴ美術館(8月15日まで)を皮切りに2022年5月まで行われ、ニューヨークでは8月27日(金)から10月24日(日)まで、ブルックリン美術館で展示される。

アメリカでは初代大統領のジョージ・ワシントン以来、大統領の肖像画を残すという伝統があり、ワシントンDCの国立肖像画美術館(スミソニアン・ナショナルポートレート・ギャラリー)が所蔵。「誰が描くか」の決定権は肖像画となる本人にあり、オバマ氏を黒人画家ケヒンデ・ワイリーが、ミシェル夫人をエイミー・シェラルドが担当。2018年2月12日、国立肖像画美術館で除幕式が行われ、展示されていた。



鮮やかな緑葉に囲まれた中央で、静かに椅子に座るオバマ氏。背景にはジャスミン(幼少期を過ごしたハワイをイメージ)、菊(出身地シカゴの公式の花)、アフリカン・ブルー・リリー(父親の出身地ケニアの花)など、同氏ゆかりの地を表現した花々が散りばめられている。ワイリーは、公式に大統領の肖像画を描いた初の黒人画家となった。

Amy Sherald, Michelle LaVaughn Robinson Obama, 2018 (Photos: Courtesy of the National Portrait Gallery)

シェラルドは、社会正義を題材にすることで知られ、これまでも黒人の肌をグレイ・スケールで描くことで、「人種と肌の色」という概念を超えたと評価されていた。ミシェル夫人の肖像画は、全体的に抑えた色調。顎の下に手を置いたポースは「熟考」を表し、夫人の内面的な強さを強調している。

オープニング・レセプションは無料
8月28日(土)午後4時から8時まで、同館1皆のスタインバーグ・ファミリー彫刻庭園で、レセプションが開催。ライブ音楽や詩の朗読などが予定されている。レセプションは参加無料だが、肖像画の鑑賞は有料。

同館ではコロナ感染予防として、引き続き収容率を25%に制限し、入場は時間予約制。予防接種の有無に関わらず、マスク着用を義務化している。

The Obama Portraits Tour
■8月27日(金)〜10月24日(日)
■会場:Brooklyn Museum
 200 Eastern Parkway, Brooklyn
■大人$16、学生$10、19歳以下無料
 ※特別展は別料金
www.brooklynmuseum.org


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