2021年8月20日号 Vol.404
「体験談」
初めてのタングルウッド音楽祭に感動!
ヨーヨー・マ、演奏で鎮魂を願う
芝生エリアでは家族連れやグループが思い思いの場所に陣取る。
コロナ禍で、どこにも行けなかった昨年。そろそろ遠出でもしたいなぁ〜と思っていたところ、HISの「タングルウッド音楽祭へのバスツアー」なるものを発見!しかもヨーヨー・マの出演日ではないか!自称「クラシック好き(注:詳しい訳ではない)」を掲げているにも関わらず、実はタングルウッドは未体験。なんと言っても「自力」で行くには遠いため、現地まで送迎してくれる便利な「他力」に飛びついた。
当日の集合は朝8時15分、グラセン駅のアップルストア階段下。参加者の皆さんが揃ったところで、笑顔の添乗員さんに連れられてバスへ乗り込む。この日、マンハッタンは雨模様。会場の天気が心配されたが、到着時には快晴。絶好の野外コンサート環境が整っていた。
今回、手配したのは野外の芝生エリアではなく、前方の屋根付きシェッド席。ステージにも近く、「お一人様の音楽鑑賞」に最適なポジション。
前方の屋根付きシェッド席
演奏開始は午後2時半。この日、ボストン交響楽団を率いたのは女性指揮者、カリーナ・カネラキス(バイオリニストでもある)で、最初の演目も女性作曲家の現代音楽。ここ最近、アートや映画、ダンスなどさまざまなジャンルで「女性」にスポットが当てられており、なるほど「いま」を感じさせるプログラムだな、と感心。
そして、登場したヨーヨー・マ。本当に素晴らしい。演奏したのはチャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」(白状するとその曲に馴染みはなかったが)で、その音色は、語るようで、咽び泣くようで、とにかく魂がググ~~~と引き込まれていく。最後は「黙祷」の意味で現代曲を提案、短い演奏を披露し、コロナ禍や自然災害など亡くなった多くの人々の魂を慰めた。
代わって再度、ボストン交響楽団が登場。演奏チャイコフスキー「交響曲第4番」を演奏し、プログラムは終了した。
葡萄棚の小道(左)と、「囁きのベンチ」
さて、コンサート以外のちょっとした「発見」もご報告。会場内、葡萄棚の小道の奥に、アーロン・コープランド(作曲家)の頭像があった。寄進者の名前が記された白いベンチは「囁きのベンチ」と名付けられており、ここもひっそりした素敵な場所だ。広い会場内を自由にぶらぶら散策できるのも「お一人様」には楽しい。
会場は、食べ物や飲み物の持ち込みが許可されているため、芝生エリアでは、ピクニックをしているグループが目立つ。地面に寝転がり、青空を眺めながらクラシックを聴くのも一興。
「遠い」と思っていたタングルウッドは、片道およそ3時間程。朝8時半に出発し、帰路は少し道路が混んだものの、8時過ぎにはグラセンに到着。天気良し、移動良し、座席良し、演奏良し、の良し良しずくめ(!)で、私のタングルウッド初体験は大満足!これは病みつきになりそうだ。(オヒトリサマ)
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