2023年8月18日号 Vol.452

JS「ジャパン・カッツ」
大林賞は「こちらあみ子」

「こちらあみ子」© AMIKO Film Partners

ジャパン・ソサエティー(JS)で7月26日から8月6日まで開催された日本新作映画祭「ジャパン・カッツ」で、大林賞受賞作品に森井勇佑監督の初長編作品「こちらあみ子」が決定した。

「Next Generation」部門は、若手監督によるインディペンデント長編作品を厳選・上映するコンペティション部門。例年、映画業界の専門家が審査員となり、6作品中1作品を大林賞受賞作品に選ぶ。

2020年に亡くなった大林宣彦監督にちなんだこの賞は、同監督の偉業を称え、その遺志を継ぐとともに、「ネクスト・ジェネレーション」部門を通じて、日本のインディペンデント映画のさらなる発展を促すことを目的としている。


3年目となる今年の審査委員には、藤井萌子(エッセイスト、評論家)、ダン・サリバン(フィルムアット・リンカーンセンター・プログラマー)、パール・チェン(配給会社Good Move Media、Kani Releasing創設者)の3人を迎えた。

審査委員らはこの作品を、「あまりに主張が強く、手がかかり、型にはまることのないあみ子。悲しみに向き合おうとするが故に、周りの人を悩ませ、イラつかせてしまう子供の視点・世界観を見事に描き出している」と評している。

「J005311」© 2022 "J005311" Film Partners (King Records, PFFF). All Rights Reserved

今年の大林賞候補作品として他に、「J005311」(河野宏紀監督)、「山歌(サンカ)」(笹谷遼平監督)、「緑のざわめき Saga Saga」(夏都愛未監督)、「朝が来るとむなしくなる」(石橋夕帆監督)、「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」(金子由里奈監督)の5作が上映された。

さらに今回この中から、河野監督の初長編映画「J005311」が、「スペシャル・メンション」として選出された。審査員らはこの作品を選んだ理由を、「多大なる形式への追求と視聴者に挑戦する意欲」と述べている。


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