2022年8月5日号 Vol.427

NY州・市、サル痘で緊急事態宣言
ワクチン接種は予約制
正しい情報収集と予防徹底を

WHOのサル痘情報 www.who.int

ニューヨーク州が7月29日、同市が8月1日、感染が拡大しているサル痘(モンキーポックス)の非常事態宣言を発した。州は各自治体への迅速支援、ワクチン接種加速などの対策強化を行う。

これに先立ち7月23日には、世界保健機関(WHO)が欧米でサル痘感染が拡大しているとして、「グローバル・ヘルス・エマージェンシー(国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態宣言)」を発令していた。

7月29日現在でのニューヨーク州内感染者数は1383件。そのうち1289件がニューヨーク市内だ。ウェストチェスター郡で32件、サフォーク郡で17人。その他の地域では一桁台の感染となっている。



■ワクチン接種資格
ニューヨーク市ではすでにサル痘ワクチン接種が開始されており、有資格者は接種を受けることができるが、ワクチン供給量が限られており、7月29日現在1回目の接種予約枠はすでに埋まっている。それでも、キャンセルが出ることもあるので、随時チェックすること(別記参照)。
ワクチン接種資格は、▷ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ノンバイナリーに該当する人、▷18歳以上、▷過去14日間に複数と性交渉を持った人、これらすべてに該当する人。市当局から濃厚接触者との連絡を受けた個人も接種対象となる。

すでに罹患した人には、ワクチン接種は勧められていない。今回のニューヨーク州の非常事態宣言を受け、救急隊員、薬剤師、助産師にも拡大されている。


■感染経路と予防

サル痘は、現在のところほとんどが同性愛者間での感染だが、決して性病ではないことを行政当局は強調している。感染して症状がある人との皮膚や体液との直接接触、その人の寝具、衣類などに触れること、近距離での飛沫に触れることでも感染する。

WHOによると、サル痘は天然痘ウイルスに似た「サル痘ウイルス」によって感染する。潜伏期間は通常7〜14日間。その後、発熱、頭痛、リンパ節の腫れ、筋肉痛などが数日続き、発疹が出る。発疹は顔面から始まり、体中に広がる。徐々に水疱(水ぶくれ)ができ、乾き、発症後2〜4週間で完治すると言われている。

ニューヨーク市内の症例の多くは軽症との報告だ。WHOも、入院ケースはほとんどないと発表している。

ニューヨーク州は次のような予防法を奨励している。
●有症状者の飛沫・体液との接触を避ける。
●新型コロナ予防と同様の手洗いを習慣づける。有症状者が使用した服、寝具、タオル、食器等に触れる際は特に手洗いを徹底する。
●サル痘を保有する可能性のあるげっ歯類等のほ乳類(死体を含む)との接触を避け、野生の狩猟肉を食べたり扱ったりすることを控える。

【サル痘情報サイト】
■世界保健機関(WHO):
www.who.int/emergencies
■ニューヨーク州
・関連情報 https://health.ny.gov/diseases
・ワクチン情報 https://on.ny.gov/3PP71RT
■ニューヨーク市:
・関連情報 https://www1.nyc.gov/site/doh/health
・ワクチン予約 https://vax4nyc.nyc.gov/patient


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