2018年7月27日号 Vol.330

第30回「高松宮殿下記念世界文化賞」
カトリーヌ・ドヌーブなど
受賞者5人が決定


世界の優れた芸術家に贈られる「高松宮殿下記念世界文化賞」)公益財団法人日本美術協会主催)の第30回受賞者が、このほど決定。5部門にそれぞれ一人ずつが選ばれ、ロンドン、ニューヨーク、パリ、ローマ、ベルリン、東京の各都市で7月11日発表になった。
今年の受賞者は、絵画部門がピエール・アレシンスキー(ベルギー/フランス)、彫刻部門が中谷芙二子(日本)、建築部門がクリスチャン・ド・ポルザンパルク(フランス)、音楽部門がリッカルド・ムーティ(イタリア)、演劇・映像部門がカトリーヌ・ドヌーブ(フランス)。
絵画部門のアレシンスキーは90歳の現役作家。20代で日本の書道の筆使いなどに影響を受け、独自の画風でベルギー現代美術を代表する作家となった。
彫刻部門の中谷は、「雪の科学者」と言われる父・中谷宇吉郎博士の自然に対する思想を受け継ぎ、水を用いた人工霧による「霧の彫刻」を世界各地で制作している。
建築部門のポルザンパルクは、建築家であり都市計画家。大胆なデザインと芸術的アプローチ、特に音楽施設の設計や、都市空間と人間との関係を重視する建築で高い評価を得ている。
音楽部門のムーティは、オペラを含むクラシックから現代音楽まで、幅広いレコーディングを誇り、巨匠中の巨匠と言われるイタリアの指揮者だ。
そして、演劇・映像部門のドヌーブは、世界的に著名なベテラン女優。常に癖のある役柄に挑戦して成功を収め、微妙な感情表現に才能を発揮し、今も第一線で活躍する。
この日、同時発表される第22回「若手芸術家奨励制度」対象団体には、イギリスのシェイクスピア・スクールズ財団が選ばれた。7〜18歳の子供たちがシェイクスピア劇を上演する世界最大の若手演劇祭を主催する文化教育団体だ。
授賞式典は、日本美術協会総裁の常陸宮殿下、同妃殿下ご臨席のもと、10月23日(火)東京・元赤坂の明治記念館で行われる。5部門の受賞者にはそれぞれ顕彰メダルと感謝状、賞金1500万円が贈られる。「若手芸術家奨励制度」対象団体には、7月11日ロンドンでの発表会見の席上で、奨励金500万円が授与された。


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