自然が背景、臨場感溢れるシアター
「ハドソン・バレー・シェークスピア・フェスティバル」
「リチャード二世」Julia Coffey and the cast of Hudson Valley Shakespeare Festival's 2018 production of RICHARD II (Photos by T. Charles Erickson)
「じゃじゃ馬ならし」THE TAMING OF THE SHREW (left)Biko Eisen-Martin and Ralph Adriel Johnson, (right)Biko Eisen-Martin
「ハート・オブ・ロビンフッド」The Heart of Robin Hood
ボスコベル邸の庭に設置された特設テント(Photo by William Marsh)
今年32回目を迎えた「ハドソン・バレー・シェークスピア・フェスティバル(HVSF)」。マンハッタンから車で約1時間、ハドソン・バレーの中心部、ギャリソンに位置する歴史的建造物「ボスコベル邸」の庭園、特設テントで行われる夏の恒例野外公演だ。
1987年9月、アメリカを代表するプロダクトデザイナーのラッセル・ライトのアトリエ兼自宅「マニトガ」で、「真夏の夜の夢」を上演したのが始まり。その後、会場を「ボスコベル邸」に移し、現在までに30作以上、50万人を超える観客を楽しませている。
今年の演目は5作品。シェークスピアの古典から、イングランド王のリチャード二世の生涯をベースにした「リチャード二世(Richard II)」(HVSF初上演)と、シェイナ・クーパーが現代風にアレンジした喜劇「じゃじゃ馬ならし(The Taming of the Shrew)」が登場。加えて、ロイヤル・シェークスピア・カンパニーが2011年に発表した「ハート・オブ・ロビンフッド(The Heart of Robin Hood)」、HVSFコンサーバトリー・カンパニーのオリジナル作品「シーメイドの音楽(The Sea-Maid's Music)」、セス・ボックリーが原作・監督の「リップ・ヴァン・ウインクル(Rip Van Winkle)」(世界初演)が上演される。
その他、会場を変更して行う巡回公演「HVSFオン・ザ・ロード」では、「ハムレット(HAMLET)」と、「シーメイドの音楽」を上演。
HVSFの醍醐味は、やはりその「会場」だろう。役者が演じるスペースを3方面から観客席が囲み、開けた一方からは遠景に山々が望める。太陽が沈み、次第に暗くなっていく状況が、物語をドラマティックに盛り上げる。役者との「距離」も近く、臨場感は抜群だ。
短いニューヨークの夏、風光明媚なシアターで、シェークスピアの人間ドラマを楽しみたい。
Hudson Valley Shakespeare Festival
■9月3日（月）まで
■会場：HVSF Theater Tent
Boscobel House and Gardens
1601 Route NY-9D
Garrison, NY
■$10〜 ※無料イベントも有
■hvshakespeare.org
上映演目
★リチャード二世
■8月26日（日）まで
★じゃじゃ馬ならし
■8月24日（金）まで
★ハート・オブ・ロビンフッド
■8月25日（土）まで
★シーメイドの音楽
■オープニングナイト：8月13日（月）
■無料マチネ：8月14日（火）・21日（火）
★リップ・ヴァン・ウィンクル
■8月31日（木）〜9月3日（月）
★巡回公演「HVSF On the Road」
ハムレット（HAMLET）
■7月28日（土）・29日（日）6:00pm
■会場：Bannerman Island
■＄65（島へのフェリー代込み）
■bannermancastle.org
シーメイドの音楽
（The Sea-Maid's Music）
■8月12日（日）5:00pm
■会場：SPACE on Ryder Farm
406 Starr Ridge Road
Brewster, NY
■13歳以上$5、12歳以下無料（要予約）
■www.spaceonryderfarm.org
■8月18日（土） 8:00pm
■会場：Hudson River Museum
511 Warburton Avenue
Yonkers, NY
■www.hrm.org
■8月19日（日）12:00pm
■会場：Dyckman Farmhouse
4881 Broadway @ 204th St.
■dyckmanfarmhouse.org
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2018年7月27日号 Vol.330